シーズヒーターとは?カーボンヒーターやグラファイトヒーターとの違いは?

電気ストーブというと、真っ赤に赤熱する昔ながらのヒーターを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

最近では、昔の電器ストーブと比較して遠赤外線放射量の多いシーズヒーターやカーボンヒーター、グラファイトヒーターといった種類のものが販売されています。

それぞれのヒーターの特徴や販売価格・電気代など、実際に購入する際に気になるところを比較してみました。



シーズヒーターとカーボンヒーターやグラファイトヒーターの違い

シーズヒーターやカーボンヒーター、グラファイトヒーターの違いは、熱を発生させるヒーター管の構造の違いです。

価格は遠赤外線放射量が多い構造のものほど高くなっている傾向があります。

電気代については、どのヒーターでもワット数が同じであれば同じです。
ただ、遠赤外線放射量が多いほど体の芯から温まるので、体感の暖房効果は高いと言えます。

  シーズヒーター グラファイトヒーター カーボンヒーター
価格 7,000円~120,000円 4,000円~25,000円 2,000円~15,000円
遠赤外線効果 +
即暖性 △(約5分) ◎(約1秒) ○(数秒)

それぞれのヒーターの構造について特徴や電気代などを詳しく解説していきます。

シーズヒーターとは?

高い遠赤外線放射効果で、体の表面だけでなく芯まであたたまるのが特徴。
熱量の約90%~95%がからだに吸収されます。

電気ストーブとしては価格が高目なのがネック。
ただ、 暖房効果の高さという観点から、予算が許すのならシーズヒーターを購入しておけば間違いありません。

ハロゲンヒーターのように真っ赤にならないのでまぶしくありません。

構造的に立ち上がりが遅く、暖かくなるまでに5分位かかる機種がほとんどです。

シーズヒーターの価格と電気代

シーズヒーターの本体価格は7,000円ほどからあります。
電気代:1時間あたり約25円~28円

  • ダイキン「セラムヒート」:1100Wモデル 実勢価格約22,000円~
  • コロナ「コアヒート」:900Wモデル 実勢価格約12,000円~
  • コイズミ :800Wモデル 実勢価格8,000円~

物によっては10万円を超えるものもありますが、 安いものでも十分な遠赤外線効果は感じられます。

シーズヒーターの構造と仕組み

シーズヒーター管の内部構造
画像引用:河合電器製作所 https://www.kawaidenki.co.jp

シーズヒーターとは、発熱体となるニクロム線をシースと呼ばれる金属パイプで覆って、中にマグネシアとよばれる絶縁目的の粉末を詰めたものです。

ヒーターの中の粉末などを温めるのに時間がかかるため、どうしてもスイッチを入れてから温まるまで5分前後かかってしまいます。

シーズヒーターは他のカーボンヒーターやグラファイトヒーターに比べて本体価格が高いですが、海外などでも非常に多く取り入れられている構造のもので、特別特殊なものではありません。

昔ながらの赤くなる電気ストーブはニクロム線をガラス管で覆っているので耐久性が低いですが、シーズヒーターは金属管で覆われている分、非常に丈夫で耐久性が高いと言えます。

ヒーター管の曲げ加工も容易なので、いろいろな形状のヒーターがいろいろな分野で使用されています。

シーズヒーターの使い方は?

電気ストーブ自体が補助暖房として使うものなので、シーズヒーターもあくまでも補助暖房としての使い方になります。

ただ、遠赤外線放射量が多く体の芯から温まるので、勉強部屋や台所などではメインの暖房器具として使うこともできます。

ヤケドしないわけではないですが、本体がそれほど高温にならないので触ると即ヤケドするといったことがない点は安心です。

欠点として立ち上がりが遅く、スイッチを入れてから暖かくなるまでに5分ほどかかるため、脱衣所や洗面所・トイレなどでの使用には向きません。

シーズヒーターのメーカー

シーズヒーターは、エアコンで有名なダイキンを始めとして、多くのメーカーから販売されています。

ざっと挙げると以下のようなメーカーがあります。

  • ダイキン
  • コロナ
  • 日立
  • YAMAZEN
  • コイズミ
  • テクノス

シーズヒーターのおすすめ機種

シーズヒーターといえばダイキンの「セラムヒート」やコロナの「コアヒート」が有名です。

ただ、他のメーカーのシーズヒーターでも構造は変わらない上、単純な仕組みなので予算に合わせて購入して問題ありません。

ダイキンのセラムヒート

ダイキンのシーズヒーター「セラムヒート」は、シーズヒーターの金属管にセラミックコーティングを施してさらに遠赤外線効果を高めています。

本体を90°横向きにできる機能があります。

2020年最新のダイキンの「セラムヒート」のラインナップは色違いの2機種のみです。

  • ERFT11WS-H(ダークグレー)
  • ERFT11WS-W(マットホワイト)
実勢販売価格 22,000円~
消費電力

250W~1100W

300Wから1100Wまで100W刻みで調整可能

角度調整 上向き30度、左右自動首振り70度
ヒーターの数 2本
モード 人感センサーモード
リズムモード
温度モード
速暖モード
切タイマー 0.5時間・1時間・2時間・4時間・6時間
安全装置 二重過熱防止機能
二重転倒OFF機能(転倒保護スイッチ)
停電時安全装置
過電流防止機能
消し忘れ防止6時間タイマー
チャイルドロック

コロナのコアヒート

コロナのシーズヒーター「コアヒート」は全機種にBC(ブラックセラミック)コーティングのシーズヒーターを使用しています。

コアヒートの特徴は、ecoモードを使用することで室温に合わせて自動的にヒーターの出力を下げた省エネ運転をしてくれることです。
エアコンや他の暖房機器と併用する際に重宝する機能です。

スイッチを入れてすぐの立ち上がり時は、設定温度よりも高い能力で運転して素早く温める機能がついています。
この機能は、コアヒートとコアヒートスリムの両方モデルに搭載されています。

コアヒートには本体を90°傾けて真横にする機能があります。

コロナのコアヒートのラインナップは全5機種です。
コアヒートスリム
・DH-919R
・CH-99R

コアヒート
・DH-1219R
・AH-129R
・CH-129R

  コアヒートスリム コアヒート
実勢販売価格 12,000円~ 15,000円~
消費電力 300W~900W
1-10のメモリで10段階に調節可能
330W~1150W
1~10+Hのメモリで11段階に調整可能
角度調整 左右自動首振り70度  
ヒーターの数 1本 2本
モード 通常モード
ecoモード
通常モード
ゆらぎ運転モード
省エネセンサーモード
切タイマー 1時間・2時間・3時間 1時間・2時間・3時間
安全装置 過熱防止機能
転倒OFF機能スイッチ
停電時安全装置
消し忘れ防止6時間タイマー
チャイルドロック
過熱防止機能
転倒OFF機能スイッチ
停電時安全装置
消し忘れ防止6時間タイマー
チャイルドロック

カーボンヒーターとは?

従来のニクロム線ヒーターよりも遠赤外線の放射量が多く、人の体を温めるのに適しています。

ただ、シーズヒーターやグラファイトヒーターよりは遠赤外線効果は薄めで、体の表面を暖める感じです。

ヒーター部が赤熱するので、部屋の中がほんのり明るくなります。

カーボンヒーターの価格と電気代

カーボンヒーターの本体は3つの中で最もお値打ちです。

消費電力の小さいタイプなら3,000円程度から販売されています。

電気代:1時間あたり 400W約11円~1000W約27円

カーボンヒーターの構造と仕組み

カーボンヒーターとは、昔ながらのニクロム線ヒーターようなニクロム線を発熱体に使用せず、不活性ガスに封入された炭素繊維(カーボン)を発熱させる構造のものです。

カーボンヒーターの発熱体は、透明なガラス管の中に入っていて、従来のニクロム線ヒーターと同じようにスイッチを入れると赤く光ります。

シーズヒーターと比べて立ち上がりが速いので、スイッチを入れてから数秒で温まります。

カーボンヒーターの使い方は?

カーボンヒーターの最適な使いかたは、短時間しか使用しない場合で、すぐに暖かくなってほしい脱衣所や洗面所などで使うことです。

あまり長時間使用する状況には適していません。

カーボンヒーターは従来のニクロム線ヒーターよりも遠赤外線効果があるとはいえ、それほど体の芯から温まる感じはありません。

カーボンヒーターのメーカー

カーボンヒーターは日本の有名家電メーカーはほとんど製造していません。

  • YAMAZEN
  • コイズミ
  • テクノス
  • ユアサプライムス

といったメーカーか、他にはあまり聞き慣れないメーカーが多い印象です。

カーボンヒーターのおすすめ機種

400Wから1000Wまでいろいろな大きさのものが販売されています。

↓↓↓YAMAZENの900Wモデル

↓↓↓コイズミのスリムな900Wモデル

グラファイトヒーターとは?

グラファイトヒーターの最大の特徴は、立ち上がりが非常に速いこと。

スイッチを入れて1秒もかからず暖かくなります。

カーボンヒーターが数秒、シーズヒーターの約5分ほどかかるのと比較すると、ダントツでスイッチを入れてからの即暖性が高いです。

カーボンヒーターよりも遠赤外線放射料が多いので、体の中まで暖める効果も高くなっています。

グラファイトヒーターの価格と電気代

グラファイトヒーターの実勢販売価格は4,000円台~となっています。

電気代:1時間あたり 400W約11円~1000W約27円

グラファイトヒーターの構造と仕組み

グラファイトヒーターとは、発熱体に黒鉛(グラファイト)を使用したヒーターです。

黒鉛(グラファイト)というのは鉛筆の芯と同じもの。
鉛筆の芯=炭素=カーボンなので、実はカーボンヒーターとグラファイトヒーターは非常に似ています。
分類の仕方ではカーボンヒーターとグラファイトヒーター同じとみなされることもあります。

カーボン(炭素)をさらに高温処理をしたものがグラファイトです。
カーボンよりもグラファイトのほうが純度が高いので、遠赤外線の放射量が多くなっているんですね。

グラファイトヒーターの使い方は?

グラファイトヒーターは1秒もかからずに温まる即暖性を生かした使い方もできますし、遠赤外線の放射量も多いので、ある程度長い時間の使用も向いています。

洗面所や脱衣所などのすぐに暖かくなってほしい時や、台所などしばらく同じ場所で作業する場合にも向いています。

グラファイトヒーターのメーカー

  • YAMAZEN
  • コイズミ

などがあります。

他にはアラジンのストーブを販売している日本エーアイシーといったメーカーもあります。

グラファイトヒーターのおすすめ機種

グラファイトヒーターのおすすめ機種を紹介します。

↓↓↓コイズミのグラファイトヒーター600Wモデルです。

↓↓↓YAMAZENのグラファイトヒーター1200Wモデルです。

電気ストーブの違いのまとめ

電器ストーブにはいくつかの呼び名がありますが、今回紹介した3つをおぼえておけば問題ありません。

遠赤外線ヒーターという呼び方をよく聞きますが、今回紹介したシーズヒーターやカーボンヒーター、グラファイトヒーターの3つとも遠赤外線ヒーターという分類です。

使い分けとしては、
シーズヒーター:居室などで長時間使用
カーボンヒーター・グラファイトヒーター:洗面所や脱衣所などで比較的短時間の使用
といった感じでいいと思います。



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