ここ最近のコロナの流行でアルコール消毒液が全く購入できなくて困っている人も多いのでは。
ハイターなどを薄めて使用することを推奨している人もいますが、人体に有害な薬品をそのまま使うのにはちょっと抵抗がありますよね。
そんななか話題になっているのが、次亜塩素酸水。
自宅でできる次亜塩素酸水の作り方や使い方について調べてみました。
用途別の効果と濃度についても紹介しています。
次亜塩素酸水を加湿器に入れて使う方法や次亜塩素酸生成器のランキングも作ってみました。
次亜塩素酸水とは?
次亜塩素酸水とは、塩酸もしくは塩化ナトリウム水溶液を電気分解して生成したものです。酸性電解水とも呼ばれます。
殺菌力の高いことで話題となった次亜塩素酸水ですが、薬事法上は消毒用途として認可されていません。
薬事法上では、
- 医薬品
- 医薬部外品
- 化粧品
- 雑品(雑貨)
といった分類がありますが、次亜塩素酸水は「雑品(雑貨)」という分類になるため、市販品で消毒の効果をうたうことは禁止されているんです。
次亜塩素酸水とハイターの違いは?
「次亜塩素酸」と聞くとハイターやカビキラーといった、「塩素系漂白剤」や「カビ取り剤」を思い浮かべる方が多いと思います。
ハイターやカビキラーの成分は「次亜塩素酸ナトリウム」というもので、「次亜塩素酸水」との違いはpH(ピーエイチ)の違いです。pHとは酸性・アルカリ度を示すものです。
次亜塩素酸水 | 次亜塩素酸ナトリウム (ハイターやカビキラー) |
|
pH | 中性~弱酸性 6.5~5.0 |
強アルカリ性 13.0 |
有効塩素濃度 | 10~80ppm | 1,000ppm |
除菌力 | ◎ | ○ |
保存性 | △ | ○ |
有害性 | 小 | 大 |
違いを簡単に説明すると、
次亜塩素酸水:次亜塩素酸を水に溶かしたもの
次亜塩素酸ナトリウム:次亜塩素酸を水酸化ナトリウムに溶かしたもの
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの違いは、溶かされているものが「水」か「水酸化ナトリウム」かの違いだけです。
この水酸化ナトリウムはタンパク質を強力に溶かす性質があるもので、油汚れを落とすための洗剤などによく使われています。
石鹸の原料になる苛性ソーダは水酸化ナトリウムの濃度が濃い状態のもので、劇物に指定されています。
次亜塩素酸水は酸性、次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリ性で、液性が違います。
さらに次亜塩素酸水には強酸性(pH2.7以下)・弱酸性(pH2.7~5.0)・微酸性(pH5.0~6.5)といった分類があります。
意外なのが、人体に有害性の高い次亜塩素酸ナトリウムよりも、ほとんど人体に影響のない次亜塩素酸水のほうが殺菌力が強いということです。
次亜塩素酸はpHが5程度のときが最も殺菌力が高いのだとか。
同じ濃度のものであれば、次亜塩素酸水のほうが80倍も殺菌力が高いと言われています。
次亜塩素酸水の作り方
次亜塩素酸水の市販品がありますのでそれを購入すればいいのですが、自分で作ることも可能です。
勘違いしやすいのが、ハイターなどの次亜塩素酸ナトリウムをいくら水で薄めても次亜塩素酸水にはならないということです。
化学反応を使わない限りハイターはハイターのままです。
次亜塩素酸水の作り方は主に次の2つがあります。
- 次亜塩素酸ナトリウムを中和してつくる
- 専用の次亜塩素酸水の生成器でつくる
自分でできる作り方を説明します。
次亜塩素酸ナトリウムを中和してつくる
自分で次亜塩素酸水を作る方法ですが、下の2つの物を混ぜるだけで簡単かつ安全に作ることができます。
- 次亜塩素酸ナトリウム
- 炭酸水
分量を間違えても塩素ガスが発生するようなことはありませんが、濃度がわからなくなるので、分量はしっかりはかることをおすすめします。
ちなみに、水酸化ナトリウムのpHを4以上に保っていれば有害な塩素ガスは発生しません。(下記グラフ参照)
ここでは入手しやすい花王のハイターもしくはキッチンハイター(=次亜塩素酸ナトリウム濃度:6%)を例に具体的な次亜塩素酸水の作り方を説明します。
ただし、炭酸水に含まれる二酸化炭素の量によって出来上がる濃度などが変わる可能性があるので、できれば試験紙などを使って確認してください。
用意するもの(600ppmの次亜塩素酸水100ml分)
- ハイターもしくはキッチンハイター:1ml
- 炭酸水:100ml(厳密には99ml)
- スポイト
次亜塩素水を作る手順
- 計量目盛りのついた清潔なコップにスポイトでハイターを1ml入れる
- ハイターを入れた容器に炭酸水を100ml入れる
たったこれだけで次亜塩素酸水ができてしまいます。
出来上がった600ppm次亜塩素水を用途に合わせて水で薄めて使用します。
次亜塩素酸水の用途と濃度の目安
上で作った600ppm次亜塩素水を用途に合わせて希釈して使います。
用途 | 使用例 | 濃度 |
滅菌 | ノロウィルスなどの滅菌 | 400ppm~600ppm |
除菌 | まな板やテーブルなどの除菌 | 200ppm |
消臭 | 服や靴、シートなどの消臭 | 50ppm~100ppm |
空間除菌 | 加湿器やスプレーなどに入れて部屋の空気の除菌 | 50ppm |
手指消毒・うがい | 手指消毒やうがい | 50ppm |
一般家庭で使用するのに最も適した濃度は200ppmです。
効果も十分で、保存できる期間もある程度長いのでおすすめです。
次亜塩素酸水を加湿器に入れて空間除菌に使いたい場合は、上で作った600ppm次亜塩素酸水10mlを110mlのお水で希釈してタンクに投入しましょう。
200ppm次亜塩素酸水 = 600ppm次亜塩素酸水100mlに水200mlを加える
100ppm次亜塩素酸水 = 600ppm次亜塩素酸水100mlに水500mlを加える
50ppm次亜塩素酸水 = 600ppm次亜塩素酸水100mlに水1100mlを加える
次亜塩素酸水の使い方
次亜塩素水の使い方は簡単で、消毒用アルコールスプレーと同じように使用することが可能。
次亜塩素水は乾くと成分が飛ぶため、どこでも安心して使用することができます。
ただ、次亜塩素水は、使用上の注意点を守らないと全く効果がなくなってしまうので注意してください。
次亜塩素水の使用上の注意点は以下のとおりです。
- 必ず除菌したい場所をキレイに掃除しておく
- 使用期限を守る
- 希釈液は使い切る
- 紫外線を避け冷暗所に保管する
順番に理由を説明していきます。
1.必ず除菌したい場所をキレイに掃除しておく
次亜塩素酸水は、ハイターなどの次亜塩素酸ナトリウムと比べて非常に濃度が薄く作られています。
濃度が薄いことは人体への悪影響が少ないと言うメリットがある反面、有効成分が少ないということも意味します。
有効成分が菌以外の汚れに反応してしまって、目的とする除菌ができないことがあるので、あらかじめ汚れをとっておきましょう。
2.使用期限を守る
市販の次亜塩素酸水には、使用期限が書いてあるので必ず守ってください。
次亜塩素酸という成分は、非常に不安定なものなので、すぐに何かと反応して変質してしまうという特徴を持っています。
期限を過ぎたものを使用しても、ただの水と同じなので意味がありません。
実験結果から透明なスプレーボトルなどでは、室内でも1日後で約50%、2日後で約20%の有効成分しか残っていないことがわかっています。
3.希釈液は使い切る
次亜塩素水は濃度が濃いものほど塩素が飛びやすなります。
なるべく作ったらすぐに使い切るか、薄めてスプレーボトルなどに詰め替えておきましょう。
4.紫外線を避け冷暗所に保管する
次亜塩素水は紫外線や高温にさらされるとすぐに効果がなくなってしまいます。
少しずつこまめに作ったほうが確実です。
車の中などに持ち込む際には、小さなスプレー容器に詰め替えて少量のみ持ち込むことをおすすめします。
冷蔵庫の中に保管した場合で、1週間後に約70%ほどの有効成分が残っていたという実験結果がありますが、冷蔵庫の外でもスプレーボトルにアルミホイルを巻きつけておくだけで同じくらいの効果があったそうです。
市販の次亜塩素酸水の生成器のランキング
アマゾンなどのネットショップで安価(5,000円前後)で「次亜塩素酸水生成器」として売られているものが人気のようです。
「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸ナトリウム」の区別ができていない商品も多いようです。
購入者の口コミによっては、「pHを測ったらアルカリ性だったから次亜塩素酸水ではなく次亜塩素酸ナトリウムだ」というものもありますが、ユーチューブに「ちゃんと次亜塩素酸水ができている」という検証動画があったので参考にしてみてください。
もしかしたら、商品による違いや、同じ商品でも個体差が結構あるのかもしれません。
購入する際は、pH試験紙と塩素濃度試験紙を一緒に購入しておくと安心ですよ。
※この生成器はその後の検証で「次亜塩素酸水」ではなく「次亜塩素酸ナトリウム」が生成されているということが実証されました。購入しないでください。
↓↓↓このEEXというメーカーは残留塩素試験紙なども販売している会社なので、ある程度の検証はしているのではないかと思います。
※この生成器も上と同じく「次亜塩素酸水」ではなく「次亜塩素酸ナトリウム」が生成される可能性が高いです。購入しないでください。
上のEEXと中身が同じOEM商品かもしれません。
説明文に次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの化学式が記載されていることから、次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの区別はできているように思います。
こちらは生成器ではありませんが、生成器や自作ではちょっと心配という方はパウダーをおすすめします。
水と混ぜるだけで濃度1000ppmの次亜塩素酸水500mlが出来上がります。
※かさばらず濃度の高い次亜塩素酸水が作れるため、薄めて使うとコスパがよく繰り上げで最もおすすめできるものです。
↓↓↓こちらは大容量20L入りで、そのまま使用できる濃度200ppmの次亜塩素酸水(液体)です。価格も3000円を切る安さなのが嬉しいところ。
↓↓↓ 残留塩素試験紙はこちら
↓↓↓ pH試験紙はこちら
まとめ
ここで紹介した生成器などは、私が実際に使用したことがあるものではありません。
自作にしても機器を使うにしても、個人的には試験紙を使って確認しながら使えば全く問題なく使えると思います。
逆に確認をしないで使用すると、手荒れしたり体に不調を招いたりする可能性もあるので、必ず自己責任で活用するようにしてください。
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