お掃除機能付きエアコンも自分で掃除できる!プロが教えるエアコンクリーニングのDIY!

家庭でも安価で近所の100円均一やホームセンターでそろえられるエアコン洗浄スプレーなどの道具を使って、エアコンを自分で掃除する方法をご紹介!

おそうじ本舗加盟店の経営をへて、その後個人業者で18年間プロとしてエアコン分解洗浄をやってきた私の経験から、わかりやすく間違いのないやり方を書いてみたいと思います。

お掃除機能付きエアコンは業者に頼むと15,000円~20,000円以上かかりますが、もちろん自分でやることも可能です。



エアコン掃除を自分でやる!お掃除機能付きエアコンも?

お掃除したいエアコンがお掃除機能付きかどうかで難易度が大きく変わってきます。

最近の主流になりつつある「フィルター自動掃除機能付きエアコン」も掃除機能の無い「スタンダードエアコン」も、どちらも自分で掃除は可能です。

ただし、お掃除機能付きエアコンはお掃除機能ユニットを取り外す必要があります。

機械ものを分解したり組み立てたりするのが苦手な方は「フィルター自動掃除機能付きエアコン」は、吹出口の掃除のみにしておきましょう。
なるべく上部の”熱交換器”と言われるアルミフィンの部分はやらないことをお勧めします。

お掃除機能付きエアコンの熱交換器も、プラスチックの枠の隙間からスプレーなどを噴射すれば、やろうと思えばやれなくはありません。

でも、洗剤や水がプラスチックの枠をつたって、モーターやリミットスイッチなどの電装部品を濡らしてしまうと故障の原因になります。
特にモーターなどは、水が入ってしまうと熱を持つので、最悪、発熱・発火することもあり得ます。

エアコンの汚れの約7~8割がたは、送風ファンを含めた吹き出し口の汚れです。
吹き出し口の汚れがとれれば、ニオイはかなり軽減されます。

お掃除機能付きエアコンでも掃除が必要なの?

お掃除機能付きエアコンでもお掃除は必要です。

お掃除機能付きエアコンは、正確に言うと「フィルターお掃除機能付きエアコン」なんです。

  • 「お手入れ不要と思っていた」
  • 「買う時に店員からお手入れ不要と言われた」

という人が多いですが、あくまでも「普段のフィルター掃除が不要」というだけです。

「そうは言っても、普通のエアコンよりは汚れてないんでしょ?」

なんて思っていませんか?

実は逆なんです。

お掃除機能付きエアコンは、普通のエアコンよりもカビなどの汚れが酷いことが多かったりします。

その理由は網目の細かいフィルターにあります。

網目の細かいフィルターは目詰まりを起こしていることが多く、エアコンの中の湿気が逃げられなくなってしまうんです。

特にキッチンとつながったダイニングやリビングに設置されているエアコンは、油が付着してもれなく目詰まりしていると言っても過言じゃありません。

お掃除機能付きエアコンのをじぶんで掃除
目詰まりしたお掃除機能付きエアコンのフィルター
お掃除機能付きエアコンの吹出口にカビがこんなに!


エアコン掃除を自分でやるのに必要な道具

エアコンクリーニングを自分でやるために必要な道具やあったほうがいいものを挙げていきます。

必要な道具

  • エアコン洗浄スプレー×2本(熱交換器用1本、吹き出し口用1本)
  • 45Lゴミ袋×1枚
  • 加圧式スプレー(霧吹き)
  • プラスドライバー
  • 脚立(エアコンの高さや身長に合わせて)
  • ケレン(くの字になったものがベスト)
  • いらないタオル(縫ってあるような雑巾は使いにくい)

あったほうが良い物

  • 養生テープ(ホームセンターなどで売られている手で切れるテープ)
  • 布マスカ―テープ(ホームセンターなどに売られているビニールシートに布テープがくっついたもの)
  • 固めのブラシ

テープ類は1個200円もしないものなので、できる限り購入しておきましょう。
ガムテープやセロテープでは洗剤や水が付くと剥がれてしまい、一度濡れて剥がれるとそこにはもうテープがつかないので非常にやりにくくなります。

エアコンのクリーニングにスチーム洗浄機を使うのはダメ!

エアコンクリーニングにスチーム洗浄機を使う人がいるようですが、これは絶対にやめときましょう。

実をいうと「おそうじ本舗」のエアコンクリーニングの正式な手順の中には、洗浄後にスチーム洗浄機で除菌をするという工程があったりします。
でも、ほとんどの加盟店ではこの工程を行いません。

何故かというと、かなりの確率で故障する可能性があるからです。

私も「おそうじ本舗」に加盟して一番最初にやったお客さんのところで、このスチーム洗浄機を一度だけ使用したことがありますが、それ以来、一切使ったことがありません。
幸い私がやった時は壊れはしませんでしたが、あれ、まともにやると絶対壊れます
だって、高温(約100℃近く)高圧高湿度なんですから。
もう、湯気でモクモクです。

湯気だからエアコン内部の隅々までいきわたって、冷えて結露して、電装ショートといった具合になること請け合い。

昔、「おそうじ本舗」の本部の人間にその旨話したら、「あんなのパフォーマンスですよ。チャチャッとやってるふりだけでいいですよ。」だって。
そんな意味ないもんなら、あんなくそ重たいスチーム洗浄機なんか現場に持ってく必要ないでしょ。


エアコン内部掃除を自分で簡単にやる手順 分解編

真っ先にエアコンの電源プラグをコンセントから抜きます
何も考えてない業者などは、電源プラグを抜くどころかスイッチをオンにして、ファンが回っている状態で洗浄したりするようですが、これは絶対やらないこと。
故障の確率を格段に上げることになります。

まず最初に風向ルーバーを指でゆっくり開けて、これを外します。
風向ルーバーは両端と真ん中の3か所でとまっていることがほとんどです。
ルーバーを外すときは、まずルーバーを手でひん曲げながら真ん中の引っかかっている部分を外します。
結構ひん曲げないと外れないので、初めてやると割れそうで怖いかもしれないですが、この部分が割れたことは今までにないので、勇気を出してやってみてください。
この風向ルーバーが外せるのと外せないのとでは、掃除のしやすさが格段に違ってきますので。

注意点としては、機種によっては外装カバーを外してからしか風向ルーバーが外せない構造になっている物があります。
モータークランクとルーバーがカバーの中でネジ止めされていたりする場合などです。
これを無理に外そうとすると破損してしまうので、ゆっくり慎重にやって、「抜けてこないな」と思ったら一旦元に戻してください。

風向ルーバーが外れたらエアコンの外装カバーを外しちゃいましょう。
大抵の場合は、吹き出し口下のところに2本のネジでとまっていていて、これを外せば大抵取れます。

え?難しいですか?
実はこのエアコンの外装カバーですが、慣れた人間でもなかなか外れないことがあります。
全部ビスでとまっていればいいんですが、メーカーのコストダウンのためかプラスチックの爪でとまっていることが多いんです。

隠れた溝に爪が引っかかっているという単純な構造だけに、外れないとなるとなかなか外れないのが困りもの。

特に上の奥が外しにくいことが多いです。

天井とエアコンとの隙間がほとんどないような位置に取り付けてあると、カバーを外すだけで30分以上かかってしまう事もあります。
なので、先ほどさらっと書きましたが、外せないときは潔くそのまま外さずにやったほうが良いかもしれません。

私がやってる動画ではないですが、ユーチューブに転がってた動画でわかりやすい物を拾ってきました。
ただ、これはかなり外しやすい機種なので一応参考程度に。

ここまで分解したらいよいよ養生と洗浄に入っていきます。

無事、風向ルーバーと外装カバーを取り外すことが出来たら、いよいよまわりを汚さないようにするための養生と、実際の洗浄に入っていきます。

外装カバーや風向ルーバーを外せなかった人は、作業が非常にやりにくくはなりますけど、外せなかった人向けの注意点も書いていければと思います。



お掃除機能付きエアコンの分解方法

お掃除機能付きエアコンを自分で掃除する場合は、お掃除ユニットを取り外す必要があります。

お掃除機能付きエコンの分解方法はメーカーによって全く違います。

しかも同じメーカーでも型番や製造された年などによって構造が大きく違ったりするので、すべてを紹介することができません。

プロの業者は分解方法をおぼえているのではなく、現場でその都度判断しながら分解しているのです。

下の写真を見て無理そうだと思ったら、自分でやろうとしないで素直に業者にエアコンクリーニングを依頼してください。

シャープのお掃除機能付きエアコンを自分で掃除する方法
お掃除機能ユニットを取外したあと
お掃除機能付きエアコンの分解を自分でやる方法
取り外したお掃除ユニット

お掃除機能ユニットを取り外す手順

お掃除機能付きエアコンを分解する時は、カバーを外した後、お掃除機能ユニットの配線を電装基板から抜いていきます。

パナソニックのお掃除機能付きエアコンを自分で分解する方法
パナソニックのお掃除エコンのコネクタを抜いたところ

配線のコネクタを電装基板から抜く前に写真を撮っておきましょう。

パナソニックのお掃除機能付きエアコンの掃除を自分でやってみる
電装基板の中には最初からコネクターがささっていないものもある

コネクターはたくさんありますが、原則的にすべて形状や大きさが違うので、組み立てる時に間違えて差してしまうということはありません。

ただ、電装基板上のコネクタの中には最初から何も差されていないところもあるので、組み立てる時に差し忘れなのかを判別しながら組み立てないと、せっかく組み立てたのに再度分解と組み立てをやり直す羽目になります。

お掃除機能は壊しても大丈夫

一つ安心材料として言っておきます。

「お掃除機能付きエアコンを自分で掃除しようとして壊してしまったらどうしよう」

一番の心配事はこれだと思います。

でも安心してください。

お掃除機能部分は壊れていても冷暖房の機能は普通に使えます。

最悪の場合、お掃除ユニットを壊してしまっても自分でフィルターを外して掃除すれば、エアコンとしては問題なく使えるんです。



エアコン掃除の前に養生をする

まずは、電装基盤にマスカ―テープで養生をします。

ほとんどのエアコンは写真のように右端に電装基盤がついています。
ただ、中にはドレンパンの前面にあったり、左側にあったりする場合があります。
そういう場合はちゃんとそこを養生してください。

どれが基盤かわからないというときは、何かわからない部品に全部水が掛からない様にビニールをかぶせるつもりで。

次に、風向ルーバー用のモーターなどに水が掛からない様に養生をします
風向ルーバーは上下方向の風向きを制御するものと、左右方向の風向きを制御するものの2つがついています。

上下ルーバーはほとんどのものが電動です。

左右ルーバーは廉価版のエアコンは手動、ある程度以上の価格帯のものは自動、といった感じ。
手動の左右風向ルーバーについては、モーターなどがついていないので全く気にしなくていいのですが、電動の左右ルーバーについては注意が必要です。

電動の左右ルーバーも、ドレンパンの側面にモーターがついている物ならさほど心配しなくてもいいのですが、問題は吹き出し口の真下にモーターがついている機種です。
モーターが真下に設置してある機種は、ちゃんと養生をしておかないと、モーター内に浸水して動かなくなっています

モーターは一度水が入って動かなくなると、私の経験上復活しません。

これは私も経験済みなので、今では多少大変でもモーターは取外してから洗浄しています。

ただ、モーターを取り外すのはとても大変な場合が多いので、外せない場合は養生テープで目張りをします。

モーターの真上の左右ルーバーの羽根の付け根に、小さく切った養生テープを菱形に重ねて貼ればOK。

電気系統の養生が終わったら、次は周りを汚さない為の養生へ移ります。

まず、一番大事な、下に垂れるのを防ぐための養生です。

この時に使用するのは45Lのゴミ袋。
もっと大きくてももちろんいいのですが、取っ手の無いタイプを使います。

最初に長い辺の1辺のみをハサミなどで切り広げます。

切ったらゴミ袋の元々は口だったところを、エアコンの下に当てます。

この時気を付けたいのが、エアコンの下からゴミ袋ですくう様にすることです。
フルカバータイプではないエアコンの場合は、壁とエアコンの間にゴミ袋の縁を滑り込ませるのがコツです。

こうすることで、カバー内側に洗剤や水が入ってしまった場合でも、壁に垂れるのを防げます。
エアコンの下にビニール袋をセットし終えたら、横から見て吹き出し口の真下に垂れた水が受けられるようになっているか確認してください。

次は、吹き出し口の下の面の出口付近に左から右へ、一直線にマスカ―テープを貼ります。
貼った後ちょうどベロのようになる感じで。

これは垂れて出てきた水がカバーの下面を伝って壁側に行くのを防いだり、隙間からカバーの内側に水が浸入するのを防いだりする役目をします。

まあ、これは無くても支障ないかもしれませんが、高圧洗浄機で洗浄する際は必ずするので。

吹き出し口を覗くと、下の面に部品のつなぎ目がある機種があります。
ここも出来るだけ養生テープで目張りをしておくといいです。

そうすることで、エアコン本体のプラスチックカバーの裏側後に水が入るのを防げます。
洗浄後にエアコンの下からポタポタと水が垂れてくるは結構うっとおしいですからね。

最後にエアコン上部の養生です。

エアコンの向かって左下あたりにマスカ―テープを貼って、グル―ッと上から右、そして右下へと貼っていきます。

そしてマスカーテープのビニールを伸ばして、小さく切った養生テープで天井に貼り付けます。

この時、養生テープは一度顔や腕などに貼り付けるなどして、粘着力を落としてから使ってください。

そうしないとビニールクロスが破れてしまいます。

天井が木目のプリント化粧板の場合は、表面の印刷面が剥がれるので紙のマスキングテープを用意しておいたほうが良いかもしれません。

場合によっては静電気だけでくっつけておいてもいいかもしれません。

あとは適時まわりの壁やふすま等、汚れては困るところにビニールを貼っていきます。

くれぐれもクロスなどに粘着力が強いままの養生テープを直接貼ったりしないように。
壁紙が破れて剥がれてしまいます。

一度皮膚に貼り付けてから剥がして使うと粘着力が弱まっていいですよ。

これで養生は一通り終わりです。



エアコンの吹き出し口を自分で洗浄

いよいよ大詰めとなりました。
やっとのことで洗浄に入れます。
何事も前準備が大変なのは、エアコンクリーニングも一緒ですね。

洗浄は、大きく分けて上部の熱交換器と吹き出し口の2つに分かれます。

順番は考え方によって変わりますが、私はいつも吹き出し口から始めます。

理由は、送風ファンについている汚れが吹き飛ばされて、熱交換器の裏側に飛ぶ可能性があるので、熱交換器を後から洗浄することで飛んだ汚れを流そうという意図があるからです。



エアコン掃除は吹き出し口から

では、エアコン洗浄スプレーを使って吹き出し口の洗浄を始めますが、ここでは送風ファンをメインに掃除します。

ちょっと(慣れないと”かなり”)腕がだるくなりますが、片手でファンが空回りをするのを止めながら、もう一方の手でスプレーを噴射します。

吹き出し口の幅の半分か1/4くらいづつに区切って、少しづつファンを指で回しながら洗浄していきましょう。

なぜ、ファンが空回りをするのを止めなければいけないかというと、これにも理由があります。
送風ファンを高速で逆回転させてしまうと、ファンモーターが発電機の役割をして電気を作ってしまい、電装基盤を焼いてしまう事がある為です。
これは特定のメーカで起こりやすい故障なのですが、どのメーカーでも原理は同じことなので、必ず手でとめながらやって下さい。

ちなみに、この送風ファン、「正確にはシロッコファンといいます!」なんて書いてる人がいますが、全然違います。
正確にはクロスフローファンと言います。
シロッコファンとは、台所のレンジフード(換気扇)の中に使われているような、真ん中から吸い込んで外側に吐き出す形式のファンの事です。

吹き出し口の後に熱交換器の洗浄

吹き出し口の洗浄が終わったら、上部の熱交換器の洗浄です。

最近のエアコンは本体をコンパクトにするためと、熱交換器の面積を稼ぐために、”ラムダ型”という形状になっているものがほとんどです。
“ラムダ型”とは前面から上面、後面へとグルリと熱交換器が回り込んでいるもので、横から見ると山形になっているもの。
なので、しっかり洗浄するなら後ろ側まで洗浄してやる必要があるのです。

熱交換器を洗浄する際は、横方向にスプレーを動かしながら、必ず上から下へ移動していきます。
後面の熱交換器を洗浄する際も、目視できないので勘でやるしかありませんが同様です。

熱交換器の最下部にはドレンパン(つゆ受け)がありますが、ここはしっかり洗浄するか全く手を付けないかどちらかにしましょう。
中途半端にやると、あとからものすごい異臭を放つようになる場合があります。

エアコン洗浄の肝はすすぎにあり

エアコン洗浄スプレーで吹き出し口と熱交換器の洗浄が終わったら、今度はすすぎ洗いです。

すすぎ洗いには、ポンプ式スプレーを使用します。
エアコン洗浄スプレーで浮かせた汚れを、全部すすぎ洗いで落とし切るイメージでやりましょう。
設置した養生のゴミ袋に溜まったお水の量を気にしながら、たっぷりのお水を使ってすすぎ洗いします。

しっかりすすぎ洗いをしたら、タオルとケレンを使って吹き出し口の奥などの残った黒ズミなどを取り除いて洗浄終了です。

きれいになったら、養生を取って取り外した外装カバーを取り付けます。
風向ルーバーはまだ取り付けません。

外装カバーを取り付けたら、エアコンの電源プラグをコンセントに差し込んで、リモコンのスイッチを入れてください。
スイッチを入れると、しばらくして送風ファンが回り始めます。

この時、吹き出し口から大量の水滴が吹き出しますので、タオル等を吹き出し口近くで広げて飛び散らない様に受け止めてください。

吹き出し口の中の残った水滴をふき取りつつプラスチックに残った黒ズミを、ケレンとタオルなどを使ってふき取ります。

最後に風向ルーバーを取り付けてエアコン洗浄作業が全て完了です。

エアコン掃除を自分でやる方法

ここまでやればかなり綺麗になったんではないでしょうか?

ただ、しっかり綺麗にしようと思うと、大変なのは確かです。
頑張ってトライしてみてください。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事が参考になったら嬉しいです。



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