風呂などのゴムパッキンやコーキングについた黒カビ。
ほんと厄介なんですよね。
「市販のカビキラーをつけてみたけど落ちない」
「ラップすれば綺麗になるって言うからやったのに変わらない」
「風呂ふたのゴムとパッキン、コーキングのカビだけ取れない」
こんな人多いですよね。
というか、みんなそうですよね。
それもそのはず。
誰が使っても安全なように作られてる市販のカビ取り剤じゃ、頑固なカビは取れるはずないんですよ。
今回は皆さんがストレスを感じるあの黒カビのスマートな落とし方をご紹介します。
基本は準備して放置ですから楽々です。
そもそもなんでゴムパッキンのカビは取れないの?
ゴムパッキンにしろシリコンコーキングにしろ、防水が目的で使用されるものです。
パッキンやコーキングなどは、水を弾いて隙間などに侵入させないようにしています。
本来、水を寄せ付けない為のものなので、当然のことながら洗剤などをかけても弾いてしまって中まで浸透しないんですね。
対してカビはジワジワと菌糸を伸ばして、ゴムやシリコンの奥へ入り込んでいくんです。
だから奥まで根を張ってしまったカビの菌糸には、市販のカビ取り剤では成分が届きにくいので、黒いカビが取れないのは当然なんです。
ゴムパッキンやコーキングには防カビ剤入ってないの?
意外に思うかもしれませんが、浴室に使われているゴムパッキンには抗菌材が入ってないものがほとんどです。
そして、壁や床に使われているシリコンコーキングも抗菌剤が入っていないものが使われていることが多いのです。
これはやはり抗菌剤入りのものが高価であることが理由として挙げられます。
ちなみに、ゴムパッキンとは一般に任意の形に作られたゴム製のものを、隙間に挟んで水の浸入を防いだりするもの。
対してシリコンコーキングとはクリーム状の液体のシリコンで、チューブから出して隙間に押し込んだあと、自然乾燥させることで固まって水を弾いたりするものです。
シリコンコーキングは抗菌剤が練り込まれているかいないかでの価格差は約2倍~3倍くらいあります。
抗菌剤入りのものは、そうでないものに比べてかなり高価だといえます。
現在の住宅の浴室は、ほとんどがユニットバスと言われる組み立て式のものが占めています。
床や壁、天井などのユニットを、組み立て業者が現場で組み立てるわけですが、どうしてもユニット同士のつなぎ目が出来る為、そのつなぎ目に水が入らない様シリコンコーキングなどで防水処理をする必要があります。
つなぎ目は全部で何十メートルにもなるので、かなりの量のシリコンコーキングを使用する事になります。
組み立て業者としては少しでも安いものを使いたいわけです。
どうせカビが生えはじめるのは、早くて数か月後か1年以上後ですし、カビが生えたからといって、組み立て業者に苦情がいくようなことは無いので、まず抗菌剤入りのコーキングは使用することはありません。
カビ取り洗剤のおすすめ!これならカビを除去出来る
これはもう業務用のカビ取り剤の力を借りるしかないでしょう。
業務用と言っても、アマゾンなどのネット通販で買えるものでもかなり評判の良い物があるので、今回はそちらを紹介します。
ちなみに、ジェル状のゴムパッキン用カビキラーなるものが売られていますが、普通のカビキラーで効かない黒カビにはあれは効きませんよ。
まずはカビの上の汚れを落とす
まずはカビと他の汚れを分けて考えます。
せっかく強力なカビ取り剤を使用しても、汚れの膜の上からでは全然効果が発揮されません。
油汚れ洗剤などの強めの洗剤で、まずは黒くなったカビの上にある汚れを落とします。
重曹やセスキ炭酸ソーダ、過炭酸ナトリウムを使用して、歯ブラシなどで擦ります。
洗剤については「レンジフードの金属フィルターの掃除はたったの2ステップ!粉かけて放置するだけ!」を見てもらうと身近で手に入る油汚れ洗剤を効果的に使うコツが分かります。
あまりゴシゴシやりすぎると、シリコンコーキングやパッキンの薄い部分がボロボロになったりしますので、ほどほどに力を入れて擦って下さい。
浸透したカビはいくら擦っても落ちないので、必要以上に擦る必要はありません。
あくまでもカビの上の汚れを取るだけで大丈夫。
水分を拭き取ってからカビ取り剤を塗る
カビの上の汚れを落としたら、カビ取り剤を塗る前に必ず水分を拭き取って下さい。
理由は、カビ取り剤を密着させるためと、カビ取り剤が薄まるのを防ぐためです。
濡れたままカビ取り剤を上から塗ろうとすると、かなりの確率でツルンと滑り落ちてしまいます。
さらにせっかくの成分が水で薄まってしまうので、効果がかなり落ちます。
狭い範囲なら、汚れ落としからカビ取り剤塗布まで1分くらいで済むはずです。
あとは、放置してカビ取り洗剤に仕事をしてもらいましょう。
2~3時間もあればカビが取れて真っ白になってるはずです。
もし、それでも黒カビが残っている場合は、一度カビ取り剤を洗い流して、水分を拭き取って再度カビ取り剤を塗布します。
塗布後に上からラップをしておけば乾燥を防ぐことができます。
ジェル状のカビ取り剤なら流れ落ち防止用のキッチンペーパーを使う必要はありません。
これで一晩くらい放置しておけば、頑固な黒カビでもスッキリ綺麗に取れているはずです。
お風呂のフタはラップすれば真っ白
基本的にはお風呂のフタのカビの落とし方も上記と同じです。
マジックリンの油汚れ洗剤や重曹の水溶液などでカビの上の汚れを落としてから、カビ取り剤を塗って、サランラップなどでぐるぐる巻きにして密閉状態にします。
ちなみにラップをするのは、カビ取り剤に含まれる塩素などの成分を揮発させない様にするためですよ。
風呂フタの落ちない黒カビ取りもキッチンハイターなら1分!
「風呂フタにスプレーするのしんどいよ!」
という方には、更に簡単でかつ強力なのが台所用漂白剤を使ったカビ取り方法です。
商品名でいうとキッチンハイターなどが有名ですね。
大事なのが「台所用」という点です。一般的な「衣類用」(白無地専用品を除く)ではカビは全く落ちません。
風呂フタの広範囲に生えた黒カビにカビキラーなどのカビ取り剤をスプレーするのは結構たいへんですよね。
スプレーのトリガーを引く手が疲れるし、あちこちカビ取り剤がつくし、臭いしで面倒くさいです。
手順を紹介します。
手順1:大きなビニール袋(90Lがおすすめ)に丸めた風呂フタを入れる
手順2:台所用漂白剤と水を洗面器の中で混ぜる。漂白剤200mlに水3Lが目安。
手順3:水と混ぜた台所用漂白剤を手順1のビニール袋に注ぐ
手順4:ビニール袋の口を手で閉じてシャカシャカする
手順5:30分~1時間ほど放置
ビニール袋は厚手のものをホームセンターや100均で購入しましょう。
ハウスクリーニングの業者は浴槽にお水を少なめにためて、そこに風呂フタやらイスやら洗面器やらをブチ込んで、つけ置きしている間に他の箇所の掃除を進めたりします。
ただ、浴槽を使うとお水や漂白剤が大量に必要になるので、風呂フタだけならビニール袋を使うのがおすすめです。
キッチンハイター以外で風呂フタの黒カビ取りに使える漂白剤は?
キッチンハイターは花王の商品名ですが、他にも次亜塩素酸ナトリウムが6%配合されているものを紹介します。
商品名 | 次亜塩素酸濃度 |
花王 ハイター、ハイターE、病院用ハイター | 6% |
花王 ブリーチ | 6% |
ライオン キッチンパワーブリーチ | 6% |
ライオン ニューブリーチ | 6% |
他にも色々ありますが、余っても使い回せるものを選んで購入するといいでしょう。
注意点としては、スプレーボトルに入って売られているものは次亜塩素酸の濃度が低いので、風呂フタのつけ置き漂白には向きません。キッチン泡ハイターなどですね。
[ad-mid]
カビが取れたらカビ予防を忘れずに
慣れてしまえばカビ取りも怖るるに足りないものですが、カビ予防はなるべくしておきましょう。
カビの発生、繁殖の4つの条件
・温度(20℃~40℃を好む)
・湿度(65%以上)
・栄養
・酸素
カビの発生しやすい条件は上記のとおりです。
この中で一番コントロールしやすいのは「栄養」を与えないようにすることです。
ただ、これにはほとんどの方が苦手とする「こまめなお掃除」が必要になってきます。
もしこまめなお掃除が無理な方は、お風呂用の燻煙(くんえん)剤を使いましょう。
限度はありますが、多少掃除をさぼっても効果抜群だと好評価のようですよ。
おまけ:エアコンにカビ取り剤を使うと・・・
エアコンの掃除にカビ取り剤をかけるのは絶対にやめときましょう。
エアコンの風向ルーバーやフィルターなど、取り外し出来るものにカビ取り剤を使うのは全く問題ないです。もちろん外してお風呂場などで。
でも、フィルターの後ろにある熱交換器や吹出口とその奥にあるファンには、くれぐれもカビ取り剤をかけないように。
理由は簡単。洗い流せないから。
もし自分でエアコンの内部のカビをなんとかしたいのであれば、「プロが教える自分でできるエアコン掃除!こうすればファンや吹き出し口まで綺麗!」を参考にしてみてください。
「【自分でエアコンファン掃除】送風ファンの黒カビを簡単に除去する方法」ではおすすめの簡単洗剤と高圧噴射ポンプも紹介してます。
ご存知の通り、カビ取り剤には次亜塩素と言われる塩素が含まれていて、プールの消毒液と同じ匂いがします。
この次亜塩素はカビなどと反応することで、塩素ガスが発生して更に強烈な匂いを発生します。
十分なすすぎ洗いをしないのにエアコン内部にかけてしまうと、部屋中に異臭が発生してずーっと消えずに大惨事になります。
十分洗い流せるのであればカビキラーなどを使っても良いかもしれませんが、そもそもプロはエアコンクリーニングにカビ取り剤はほぼ使いませんのでご参考までに。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事が参考になったら嬉しいです。
コメント
こんにちは。
>大事なのが「台所用」という点です。「衣類用」ではカビは全く落ちません。
と書かれていますが、
>キッチンハイターは花王の商品名ですが、他にも次亜塩素酸ナトリウムが6%配合されているものを紹介します。
で、
>花王 ハイター
が紹介されています。これは、衣類用のハイターです。
説明が矛盾してると思います。
ご指摘有難うございます。
この記事を読んでいただけばおわかりになる通り、この記事の趣旨は「次亜塩素酸ナトリウムの濃度に注意してください」ということです。
このような揚げ足取りにはご返答しないのですが、矛盾のないように訂正しておきましたよ。