給湯器が壊れたら、修理か新品に交換かを考えることになります。
ただ、給湯器の使用年数が10年を超えていたら、ほぼ必然的に新品への交換になります。
これはメーカーの修理部品の保有期間が10年だからです。
参考記事⇒給湯器の寿命は?故障したら修理か新品に交換が得か?
最近はネットショッピングが当たり前の時代ですが、ガス工事が必要な給湯器だとちょっと抵抗があるという人も多いかもしれません。
ネットを利用した、最も安くかつ安全・安心なガス給湯器の交換工事を依頼する方法をご紹介したいと思います。
修理よりも新品交換のほうが安いのか
修理するより新品の給湯器に交換したほうが、費用が掛からず安く済むかと言えば、答えは「NO!」です。
新品交換より高い修理代がかかる修理なんてありません。
交換する部品やどの種類の給湯器かにもよりますが、最も費用が掛かるといわれる熱交換器という部品の交換でも6万円~7万円が最高でしょう。
メーカーに部品の在庫があるのであれば、修理したほうが総合的にみても安く済むはずです。
たとえその後すぐに別の部品が故障したとしてもです。
でも、実際修理を依頼すると、ほとんどの場合は新品への取り替えを勧められます。
なぜでしょう?
答えは簡単で、業者にとって修理は手間がかかる上に儲からないからです。
給湯器を新品に交換する場合は、ほとんどの場合2回の訪問で完了します。
1回目は故障状況の確認と工事の下見をして見積金額の提示、2回目は工事をして完了、といった流れです。
これが追炊き付きのふろ給湯器であれば、3時間程度の工事時間でだいたい4万円程度は粗利益があるものなんです。
販売価格によっては倍近い利益を出す業者もあります。
これが修理の場合になると、最低でも2回の訪問が必要な上、さらに訪問が必要になることもあるのです。
場合によっては、故障部品の見立てが違っていたり、複数個所の部品が故障していたりすると、再度故障診断に行ってから、部品を持ってもう一度交換に行かないといけなくなります。
1度の部品交換で修理か完結する場合ばかりとは限らないのです。
基本的には2回の訪問で済んでも4回の訪問になっても業者の利益はほとんど変わりません。
交換する部品によって工賃などは大きく変わってきますが、先ほど挙げた熱交換器の交換でも3万円程度の利益しかないでしょう。
給湯器本体を新品に交換する工事よりも、細かい作業で気も使いますし、手間も時間もかかるんですよね。
修理後すぐに故障でクレームの恐怖
そして修理業者として一番面倒なのが、修理後すぐに他の箇所が壊れた時のクレームです。
すぐにまた故障したとなると、ほとんどのお客が「前回の修理の仕方が悪かったから、故障が直ってなかった」と言ってくるのです。
もしくは「前回の修理の時に気付かなかったの?一緒に直してくれれば安く済んだんじゃないの?」なんてこともよく言われるんです。
修理の際は、必ずと言っていいほど「他の部品がすぐに壊れるかもしれませんよ」という説明をするのですが、実際すぐに壊れると修理業者のせいにされてしまうのです。
儲けが少ない上に手間がかかった挙げ句、嫌な思いをしてまで修理しようとは誰も思わないですよね。
給湯器を新品交換するなら工事は近所のガス屋にすべき?
よく「何かあった時にすぐ来てもらえるから給湯器交換工事は近所のガス屋に依頼した」とか「よく聞く大きなガス屋に工事を頼んだ」というのを耳にします。
大手ガス供給会社のサービスショップで修理もしていた私の経験からすると、これにはちょっと違和感を感じるのです。
「何かあったらメーカーの修理に来てもらったほうが早いのに」
私はそう思うのです。
今の給湯器は電子部品の寄せ集めで、それらの部品を電装基盤で制御しています。
そして、ほとんどの故障は電子部品か電装基盤のどちらかの故障です。
違う型番の給湯機の部品を使い回すことはできないので、膨大な種類がある給湯器の部品の在庫を持っているお店など皆無です。
なので、近所のガス屋が来たところですぐに修理ができるわけではなく、せいぜい「使える機能は使っても大丈夫ですよ」と気休めを言ってもらえるくらいです。
もっとも現在の給湯器は危険な状況になる前に運転を停止してくれるので、動かなくなったからといって危ないなんてことはありません。
そして、もし近くのガス屋を呼んだ場合、そのガス屋は次の2つのどちらかの対応になります。
1つはそのガス屋がメーカーから部品を取り寄せて自分のところで部品交換作業をする。
もう1つはメーカーに部品交換を依頼して修理を丸投げする。
1つ目の対応のデメリットは修理までの日数がかかる可能性が高い事、2つ目のメーカー丸投げの場合なら最初からメーカーに直接依頼したほうが早いということが言えます。
上記の理由から、今では近所のガス屋に工事を依頼するメリットはほとんど無いと言っていいでしょう。
最も安く給湯器交換工事を依頼するには
タイトルにもあるように、最も安くガス給湯器の交換工事を依頼するにはネットの力を借りるのが一番です。
ネットショップを利用する場合、次の2つの方法があります。
・給湯器本体もリモコンも必要部材も交換工事とともにすべてネットの業者に依頼する。
・給湯器やリモコンなどはネットで安く購入して、工事だけを近くのガス屋に依頼する。
ネットで業者を探す場合でも、必ず価格や工事内容などの確認が必要です。
ネットで「地域最安店」とうたっていても、他と比較してみたら高かったりすることも多いですし、なかには東京ガスとか東邦ガスとかのガス会社と変わらないようなかなり高い業者もあったりします。
いろいろな業者を比較する時に大事なのは、同じ型番の給湯器で比較する事です。
工事内容も、取り外した古い給湯器の処分代などを含めて、全く同じ条件で検討する必要があります。
注意したいのが、2つ目の給湯器などをネットで自ら購入する場合ですが、給湯器はタイプが違うと取替できないため、絶対に間違えないようにしなければいけません。
ほとんどのネットショップは間違えても返品や交換を受け付けてくれません。
給湯器の製造メーカー自体が返品を受け付けないので、ネットショップ側としてもどうすることもできないということを憶えておきましょう。
給湯器の割引率が高い業者がいいのか?
広告やホームページを見ると、「80%オフ!」「90%引き!」なんて表示で給湯器本体の安さを強調しているものが多いです。
なんかすごくお値打ちな気がしませんか?
でも、あれは全く意味がないんですよ。
業者はほぼ例外なく「1つの工事で総額どれくらいの利益がでるか」というのを考えています。
つまり、給湯器の価格を安く表示しているところは、まず工事代が高めの設定になっているのです。
私も給湯器の販売と工事を仕事としていますが、ほとんどの業者は、ほぼ同じ価格で仕入をしているといっても過言ではありません。
他の業者と差をつけようと思ったら、もう工事代の利益を削るしかないんです。
私のところにも「他の業者と比較したいので給湯器の値引き率を教えて」と電話がかかってくることがあります。
こういう方は、まんまと割引率表示の罠にかかっている方なのですが、商品代金と工事代、その他もろもろの諸費用すべてを含んだ”総支払額”で比較しないと全く意味が無いことを肝に銘じておきましょう。
給湯器の取替え工事代はいくらが相場?
給湯器の取替え工事代は、給湯器の種類や設置状況によって変わってきますが、だいたい以下が相場といえるでしょう。
小型湯沸器:15,000円(税込)
給湯専用機:25,000円(税込)
ふろ給湯器:35,000円(税込)
暖房機能付き給湯器:45,000円(税込)
もちろんこれよりも安く請け負っている業者はありますが、上記の価格であれば比較的安いといえるでしょう。
後方排気などの排気延長タイプはさらに1万円以上追加が必要と考えてください。
ネットで購入するならどこがお値打ちか
商品のみをネットで購入するなら、楽天市場やヤフーショッピングなどのネットのショッピングモールが最も安く入手できるはずです。
アマゾンでも購入できますが、品ぞろえがあまり良くない上に価格も他の楽天やヤフーに比べて割高です。
給湯器くらいの価格帯になると、送料無料なのは普通なので、アマゾンで購入するメリットは全くといっていいほどないでしょう。
それよりも、楽天市場やヤフーショッピングのいろいろなキャンペーンを利用すれば楽天ポイントやTポイントなどがかなりの金額分付与されるので、価格的には他の追従を許さないといえます。
交換工事も同時に依頼するのであれば、楽天市場やヤフーショッピングのようなネット上のショッピングモールに出店している業者よりも、個人で給湯器を販売・取付している地元の業者のほうが安い場合があります。
楽天市場やヤフーショッピングに給湯器を出品している業者だと、全国どこでも工事対応とうたっていても、実際は自社の工事会社を持っていないことが多く、行き当たりばったりで業者を探していたりします。
実際、私のところにもよくそういった販売業者からの工事のみの依頼がくることがあります。
ちゃんとした取付業者が来てくれればいいですが、行き当たりばったりで電話をしてくる販売業者は、全くと言って良いほど保有資格の確認をしません。
少なくとも私は一度も確認されたことが無いですから。
必要な資格を持っていなかったり、供給ガス会社に登録が必要な工事なのに登録していない業者が派遣されてくることが往々にしてありますので、十分注意が必要です。
なにか事故などのトラブルがあった場合や、なにかのキッカケで違法工事が発覚したりした場合は、色々いやな思いをするばかりか、最悪責任を追及される可能性もあります。
最低限、資格保有の確認はするべきだと思います。
一番いいのは、地元の小規模な個人店で、ホームページに価格や工事内容をわかりやすく表示している業者を探すことです。
「給湯器 取替工事 〇〇(県名や市区町村名)」などで検索してみるといいでしょう。
工事のみを施工してくれる業者を探したいときは「給湯器 工事のみ大歓迎 〇〇(県名や市区町村名)」などで検索すれば大抵は近場の業者のホームページが表示されると思います。
給湯器が完全に壊れてしまってから探そうとすると、焦って失敗してしまう可能性が高くなるので、少しでも調子が悪くなってきたら早めに取り替えたほうが結果的にお得になることが多いです。
慎重に選んで後悔の無い買い物をしてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事がお役にたちましたら「いいね!」を押して頂けると嬉しいです。ツイートもよろしくお願いします。