
シャープのお掃除機能付きエアコンは、
- 「壊れやすい」
- 「すぐホコリが詰まる」
と言われていましたが、現在はどうなんでしょうか?
私は仕事で17年ほどエアコン分解クリーニングをしていますが、その経験をふまえて、シャープのエアコンについてネット上の評判や口コミを調べてみました。
2022年最新のシャープのエアコンのラインナップから、掃除が自分でしやすいかなどや、おすすめ機種についても書いています。
シャープのフィルターお掃除機能付きエアコンは壊れやすい?
以前のシャープのフィルターお掃除機能付きエアコンが壊れやすかったのは事実です。
と言っても、壊れやすかったのはお掃除機能の部分だけで、エアコン本来の機能である冷暖房機能が故障しやすいということではありません。
ただ、現在はお掃除機能部の構造が大きく変わったので、お掃除機能部も故障しているのを見かけなくなりました。
以前のお掃除機能と現在のお掃除機能について、どう変わったのかを説明します。
以前のシャープのフィルターお掃除機能はなぜ壊れやすかったの?
以前のシャープ製フィルターお掃除エアコンが壊れやすかったのは、集めたホコリの処理に「屋外排出方式」を取っていたからです。
これは、集めたホコリを換気ファンで屋外に吐き出すというもの。

この構造は換気機能も兼ねているので「換気方式」と呼ぶことも出来そうですが、換気とは目的が違うので「屋外排出方式」と呼んでおきます。
この「屋外排出方式」は、もう一つの「ダストボックス方式」と比べて格段に不具合が多い仕組みです。
屋外排出方式はパナソニックも採用している方式なのですが、パナソニックのエアコンもトラブルが多いので、この方式に問題があることは間違いありません。
「屋外排出方式」は細いパイプの中をホコリが通っていく構造なんですが、いたるところにホコリが詰まっています。

エアコンの中に小さな換気ファンがあって、その風で外までホコリを吹き飛ばそうという考え方なんですが、うまくいってません。
パイプの中やファンの中にホコリが詰まることで、フィルターの掃除がされなくなる上に、ファンがホコリで動かなくなってしまって、挙げ句にモーターが故障してしまっています。

現在のシャープのフィルター自動お掃除機能付きエアコン
シャープはパナソニックとともに、「屋外排出式」をずっと採用してきましたが、あまりの故障の多さとお客さんからの評判が悪かったこともあり、現在は全てダストボックス式へ変更されています。

パナソニックはまだ一部に「屋外排出式」を採用したモデルを残していますが、なくなるのも時間の問題かと思います。
シャープの「フィルター移動式」は静かで速い
シャープはフィルター自体を移動させてホコリを取る「フィルター移動式」をとっています。
この方式は比較的騒音も小さくて、なお且つ左右のフィルターを同時に掃除するので掃除時間も短く特に問題のない方式です。

シャープの「ブラシ掻き取り式」は他社とほぼ同じ
シャープは集塵フィルターからホコリを掻き取る際にブラシを使う「ブラシ掻き取り式」を取っています。
筒状の空間の中に、棒にらせん状のブラシがついたものが入っていて、これを回転させることで、掻き取ったホコリを移動させています。
トコロテンのようにホコリでホコリを押し出すような構造で、筒の中から押し出されてきたホコリをファンの吸引力で吸い込んで屋外に排出します。

現在の新しいダストボックス式は、筒状にブラシを包む必要がないので仕組み自体がシンプルになってホコリもきれいに取れるようになっています。

最新のシャープのエアコンのお掃除機能は、プラシでかき取ったホコリをすぐ下のダストボックスに落とすだけのシンプルな形になったので、今後はトラブルがかなり少なくなるはずです。
2022年最新のシャープエアコンのおすすめ機種は?
シャープの2022年最新のエアコンは全7シリーズとなっています。
N-Pシリーズ(2021年モデル)は5.6kWしかないので、4.0kW以下は2020年モデルのL-Pシリーズから選ぶことになります。
プラズマクラスターは強弱の違いはありますが、全てのシリーズに搭載されています。(NEXT・25000・7000)
P-S、P-Nシリーズ以外には氷結ドライが搭載されています。
- N-Pシリーズ 5.6kWのみ Airest(エアレスト) パワフルな空気清浄力と清潔な内部構造
- P-Xシリーズ フラッグシップモデル 氷結除湿機能・フィルター自動お掃除機能付き
- P-Hシリーズ 高さ250mmのコンパクトモデル フィルター自動お掃除機能付き
- P-Fシリーズ フィルター自動お掃除機能付き
- P-Dシリーズ
- P-Sシリーズ 無線LAN内蔵としては最廉価モデル。
- P-Nシリーズ 唯一、無線LANがオプション設定
シャープのエアコン N-P・L-PシリーズAirest(エアレスト)の特徴

N-P・L-Pシリーズは「空気清浄機と呼べる、唯一のエアコン」と銘打ったモデルで、本格的な空気清浄機を搭載しています。
Airest(エアレスト)という名前が付けられています。
「空気清浄機と呼べる、唯一のエアコン(JEM1467に準拠)」がキャッチフレーズ。
フィルター自動お掃除機能はついておらず、代わりに高性能な集塵脱臭フィルターが上面に設置されています。
分厚い高性能フィルターがエアコン上部をおおっていて、空気をフィルターからしか吸わないようにするために隙間なく作られています。
まさに「空気清浄機」と同じ構造ですね。
エアコンと空気清浄機をくっつけたAirestのメリットは?
空気清浄機は既に持っているという人は多いと思いますが、エアコンに空気清浄機をくっつけることで何かメリットがあるのでしょうか。

別に空気清浄機があれば必要ないんじゃない?

ホコリは下にたまるから床に置くタイプの空気清浄機より効率が悪いんじゃない?
「別で空気清浄機があるからいらない」
「ホコリは下に落ちるから天井近くのエアコンに付いていてもホコリは取れない」
こう考えた人は多いんじゃないでしょうか。
じゃあ、Airestの最大の売りは何かといえば、
エアコン内部にカビが発生しにくい
ということだと思います。
エアコン内部に発生するカビの原因は主に
ホコリと湿気。
Airestはこの二つのカビの原因を強力に防ぐ仕組みを持っています。
まずホコリについては、エアコン上部にあるプレフィルター(ミクロンメッシュフィルター)と集塵脱臭フィルターで取り除きます。

集塵脱臭フィルターが99%のホコリの侵入を抑制します。
普段のお手入れは、プレフィルターのホコリを掃除機などで吸い取るだけ。
集塵脱臭フィルターは、花粉やPM2.5など0.1μm~2.5μmの粒子を99%キャッチできる能力をもっています。
これによって、カビの餌となる皮脂やダニの死骸、繊維クズなどの侵入を防いでいます。
エアレストの空気清浄機能の適用床面積は55畳もあり、8畳の広さならわずか5分で空気をきれいにする能力があるそうです。
ただ、天井近くに設置してある以上、天井近くまで舞い上がったホコリしか吸い込めないわけで、その点はあまり期待しないほうがいいのかな、という印象を個人的には持っていますけど。
もう一つのカビの原因である湿気への対策は、ファンと熱交換器の位置を変えたことです。

一番カビの発生がひどいと言われるファンを熱交換器の手前にもってくることで、冷えた空気でファンが結露して濡れるのを防ぎます。
ファンだけでなくエアコン内部全体の結露も防げるので、カビ予防にはかなり効果がありそうです。
ただ、実はこの「熱交換器の手前にシロッコファンをもってくる」という構造(熱交換器吹き付け方式)は、業務用エアコンの殆どが採用しているので、特に目新しい構造ではなかったりします。
実際に店舗や事務所に設置されている業務用エアコンのファンを見てみると、ただホコリやタバコのヤニなどが付着しているだけという状態のものが多く、家庭様エアコンのファンのようにカビでモコモコになっている状態のものは見かけませんので、ファンにカビが生えにくい構造という実績はあるといえるかもしれませんね。
高性能集塵脱臭フィルターとファンの位置によって、Airestは今現在、最もカビにくいエアコンなんじゃないかと思っています。
プラズマクラスターも最上位のNEXT(1㎥あたり5万個の除菌イオン)が搭載されています。
ちなみに、2021年モデルのN-Pシリーズと2020年モデルのL-Pシリーズが併売されていますが、これは4.0kW(14畳用)までしかなかった2020年モデルのL-Pシリーズに、新しく5.6kW(18畳用)のみ2021年モデルN-Pシリーズとして追加になった形です。
2021年モデルのN-Pシリーズとして5.6kW(18畳用)が追加されましたが、能力以外の違いは「ペットモード」と「やさしさモード」が追加されたくらいです。
2022年3月現在、2022年モデルは発表されていません。
Airestの交換用集塵脱臭フィルターの交換時期と値段

エアレストの集塵脱臭フィルターの型番はAZ-LPSF2(2枚1組)で、交換時期は約18ヶ月ごとが推奨されています。
フィルター自体の価格はそれほど高くはないですが、交換目安が18ヶ月となっています。
床に置くタイプの空気清浄器のフィルターは、同じくらいの価格で交換目安が10年のものが多いということを考えると、割高感は否めませんね。
シャープのエアコン P-Xシリーズの特徴
P-Xシリーズはシャープのエアコンのフラッグシップモデルです。
フィルター自動おそうじ機能付き。
2021年モデルから「氷結ドライ」という缶チューハイみたいな名前の除湿機能が追加されました。
「業界初の氷結ドライ」を謳っていますが、熱交換器を凍結させるという発想は日立の凍結洗浄に似てますね。あちらはあくまでも熱交換器の洗浄が目的ですが。
熱交換器を凍結させる「氷結ドライ」は、寒くなりすぎるような気がしてしまいますが、逆に寒くなりにくい除湿を実現しているのだとか。
室温が低いときだけ氷結ドライ除湿に切り替わって、ファンの回転数を極限まで落として冷気の広がりを防ぐことで快適に除湿します。(2020年モデルL-Xシリーズ比2倍以上の除湿量)
氷結ドライは、除湿した空気を再度温める再熱除湿と比較して、大幅な省エネになるのも嬉しいですね。(2012年モデルの再熱除湿と比較して同社比半分以下の消費電力)
最上位のプラズマクラスターNEXTが搭載されており、プラズマクラスターイオンの数が1㎥あたり50,000個の高濃度で除菌します。
他のシリーズのプラズマクラスターの個数は、1㎥あたり「25,000個」と「7,000個」となっています。
「プラズマクラスターパトロール」の機能で、エアコン内部が温度20℃かつ湿度70%以上になると、自動で電源が入るようになっています。
送風ファンを逆回転させたうえ、プラズマクラスターイオンを内部に充満させてカビを抑制。
さらに、吹出口にある左右風向ルーバーがまるごと取り外せる(はずせルーバー)ので、かんたんに吹出口の掃除が自分でできちゃいます。
シャープのエアコン P-Hシリーズの特徴
P-Hシリーズは高さ250mmのコンパクト設計のシリーズ。
フィルター自動おそうじ機能付き。
プラズマクラスター25000を搭載していて、「プラズマクラスターパトロール」機能でエアコン内部のカビを強力に抑制します。
吹出口の左右風向ルーバーがまるごと外せる「はずせルーバー」もついています。

シャープのエアコン P-Fシリーズの特徴
P-Fシリーズは2022年に新たに登場したシリーズです。
フィルター自動お掃除機能付きでスタンダードモデルという位置付けのようです。
フィルター自動お掃除機能付きのエアコンの中で最廉価モデルです。
上位のP-Hシリーズと機能面を比較しても特に変わらないように見えますが、ルーバーが外せなくなっているので自分でお掃除しにくくなっているのは間違いないようです。
シャープのエアコン P-Dシリーズの特徴
P-Dシリーズはおそうじ機能のないタイプ。
- プラズマクラスター25000
- プラズマクラスターパトロール
- はずせルーバー
それでも上記機能が搭載されているので、しっかりカビを抑制してくれます。
シャープのエアコン P-Sシリーズの特徴
P-Sシリーズはプラズマクラスター7000を搭載した無線LAN内蔵機種で最廉価のエアコン。
このシリーズのプラズマクラスターはエアコン内部の除菌に使うものではなく、お部屋の中のカビの抑制に使います。
フィルター自動お掃除機能はついていません。
シャープのエアコン P-Nシリーズの特徴
無線LANが内蔵されていない最廉価モデルです。
他の5シリーズとの大きな違いは無線LAN機能が標準搭載されているかどうか。
このシリーズのみ無線LANはオプション設定となっています。
ただし、オプション設定があると言っても販売店や自分ではできず、メーカー対応となります。
実際に頼むとかなり高額になるので、無線LANに興味があるなら最初からN-Sシリーズ以上を購入することをおすすめします。
ひとつ上のモデルであるP-Sシリーズとの違いは、無線LANが内蔵されているかどうかだけで他は全く同じです。
2022年最新のシャープのエアコンはどの機種がおすすめ?
2022年のシャープのエアコンの中でおすすめするとしたら、 P-Hシリーズ が最もコスパが良いモデルですね。
- フィルター自動お掃除機能
- プラズマクラスター25000
- プラズマクラスターパトロール
などの機能がついている上、コンパクトで設置場所を選ばないので、これを選んでおけば間違いないんじゃないでしょうか。
Airest(エアレスト)は、登場から2年半ほどしか経っておらず独特なコンセプトの機種なのでレビューも少ないのですが、意外にも(失礼)評判がいいようです。
ただ、一つ心配なのは、壁に取り付けてある状態では分解洗浄できなさそうなことです。
1年未満の使用ではまだカビが発生していないという口コミがありましたが、数年後にどういう状態になってるかですね。
壁から外して分解洗浄となると3万円コースですから悩みどころです。
シャープのお掃除機能付きエアコンについてのまとめ
シャープはフィルターお掃除機能のごみ処理方法を、「屋外排出式」から完全に「ダストボックス方式」に移行しました。
今までは一部のモデルにのみ「ダストボックス方式」を採用していましたが、やっとトラブルの多かった方式に決別できたわけです。
他のメーカーも採用している方式にしたことで、「シャープは壊れやすい」ということはなくなったので、プラズマクラスターイオンが気に入っている人などは迷わずシャープのエアコンを購入することができるようになったんじゃないでしょうか。
シャープは吹出口の左右風向ルーバーが完全に取り外せる唯一のエアコンです。(モデルによる)
三菱霧ヶ峰もルーバーを左右に開くことはできますが、完全には取り外せません。
吹出口のカビが気になっている人には、自分で掃除しやすいエアコンとして良い選択肢だと思います。
最後まで読んでいただき有難うございました。
この記事が参考になると嬉しいです。
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