
パナソニックのエアコンは、お掃除ロボットの故障などが多くきかれます。
私は仕事でエアコン分解クリーニングをしていますが、実際に故障しているものに何件も遭遇しています。
「パナソニックエアコンの自動掃除が長い」
「パナソニックエアコンのお掃除がウルサイ」
と言った評判も多いようです。
パナのエアコン「エオリア」のお掃除機能の構造などから、故障しやすい原因やお掃除が長いとかうるさい時の対処法などを書いてみたいと思います。
2020年最新のパナソニックエアコンのなかからおすすめな機種や新しいお掃除機能なども紹介します。
パナソニックのフィルター自動お掃除機能付きエアコン
パナソニックのお掃除機能付きエアコンは、他のメーカーと比較して故障が多い印象です。
Panasonicブランドに統一されるまえから、松下電器やナショナルのブランドのエアコンでも同じ仕組みのお掃除機能を搭載していましたが、同じ原因の故障があります。
パナソニックのエアコンのお掃除ロボットの構造について説明していきます。
パナソニックエアコンの2つのごみ処理方式
パナソニックエアコンの現在のモデルには、2種類のホコリ処理方式があります。
- 屋外排出方式
- ダストボックス方式
の2種類です。
この2つの中で故障が多いとかお掃除の音がうるさいといわれるのは「屋外排出方式」。
※パナソニックでは「自動排出方式」と呼んでいます。
2020年の最新モデルの中でフィルター自動お掃除ロボットが搭載されているのは、6シリーズ中4シリーズ。
その4シリーズの中で「屋外排出方式」のお掃除ロボットが搭載されたエアコンは2機種。
さらにその2機種のうちの一つは、「ダストボックス式」に切り替えられるようになっています。
つまり、純粋な「屋外排出方式」は、たった1モデルのみとなりました。
パナソニックのお掃除ロボット「自動排出方式」の故障と騒音
パナソニックの「屋外排出方式」は、フィルターについたホコリをブラシと換気ファンの吸引力で吸い取ります。
言ってみれば小さな掃除機がついてるみたいなもの。

この換気ファンの力のみで、吸い込み口のノズル部分から屋外までホコリを運んでいます。
そしてこの換気ファンが詰まると掃除が全くされない状況になります。

↑ 換気ファンのケースを開けたところ。ケース内はホコリがビッシリで、ファンも羽根の部分が完全にホコリで詰まっている。
ちなみに、この換気ファンの掃除はほとんどのエアコンクリーニングの業者はやりません。
特に相場より金額の安いエアコンクリーニングの業者は100%やってないと思って間違いないです。
「ダスキン」や「おそうじ本舗」などのフランチャイズは金額は高いですが、やりません。
一切マニュアルにもありませんし、やってる店舗を聞いたことがありません(私はやってますけど)。
この構造のお掃除ロボットは、換気ファンの中をホコリが通過する構造なので、必ずファンにホコリが詰まります。
ホコリの詰まりすぎでファンのモーターが焼けて動かなくなっている物に何度も遭遇しています。
この換気ファン、最大の騒音元にもなっています。
小さな掃除機という表現をしましたが、小さくても掃除機。
掃除機だけあってうるさいです。
換気ファンが必ず必要になる「屋外排出方式」を採用しているエアコンは、最も騒音が大きいと言って間違いありません。
「屋外排出方式」のパナソニックエアコンは絶対に避けるべきですよ。
パナソニックエアコンのお掃除ロボットの「ダストボックス方式」が進化!
少しずつダストボックス方式に切り替えてきているパナソニックですが、2020年の新モデルではダストボックス方式がさらに改良されています。
他社のお掃除ロボットでもトラブルになっていることがありますが、ブラシにホコリがからみついてしまいフィルターを掃除できなくなることがあります。
↓↓↓ダストボックス式はフィルターのホコリをブラシでかき落とします。

↓↓↓ブラシにホコリが残るので「ブラシクリーナー」でかき取ります。

ひとつ残念な点は、ダストボックスが透明ではないことです。
上の解説画像ではダストボックスが透明になっていますが、実際は透明ではないので中身が見えません。
パナソニックエアコンのフィルターおそうじ方式は2種類
パナソニックのお掃除機能はフィルターからホコリを取り除く方式が2種類あります。
- ノズル移動式
- フィルター移動式
の2つです。
パナソニックのお掃除ロボットといえば、固定されたフィルターの上をノズルが移動することでホコリを集める「ノズル移動式」のイメージが強いですが、現在は1モデル以外は「ブラシかき取り式」に変更されています。
「ノズル移動式」は、1つのノズルで2枚の集塵フィルターを順番に、右から左へ左から右へと掃除していくので、「フィルター移動式」に比べて掃除の時間が非常に長いのが特徴です。

換気ファンの詰まりで吸引力低下や油の付着が原因。
「お掃除ノズル」自体は静かに動くので、パナソニックのお掃除機能がうるさいと言われる理由は「屋外排出方式」を採用しているためです。
2020年最新のパナソニックのお掃除ロボット付きエアコンのおすすめは?
2020年最新のパナソニックエアコンは全部で8シリーズ。
エオリア
- Xシリーズ フィルターお掃除ロボット付き(ダストボックス/自動排出切替可)
- AXシリーズ フィルターお掃除ロボット付き(ダストボックス式)
- EXシリーズ フィルターお掃除ロボット付き(自動排出式)
- GXシリーズ フィルターお掃除ロボット付き(ダストボックス式)
- Jシリーズ
- Fシリーズ
フル暖エオリア
- UXシリーズ
- TXシリーズ
パナソニックエアコン「エオリア」のXシリーズの特徴
パナソニックエアコン「エオリア」のXシリーズはフラッグシップモデル。
たくさんの清潔機能で「カビに強い」のが最大のアピールポイント。
- 高濃度ナノイーXで内部クリーン
- 防汚・防カビ仕様の送風ファン
- ホコリレスコーティングの熱交換器
- 結露水洗浄と加熱乾燥
- 進化したフィルター自動お掃除ロボット
その中でも、フィルター自動お掃除ロボットが新しくなったのが見逃せません。
以前から不具合の多かったノズルでホコリを吸い取る方式をやめて、フィルターを動かしてブラシでかき取る方式に変えています。
加えて、取ったホコリを屋外に排出する「自動排出式」と「ダストボックス式」を切り替えることができる構造になっています。
「自動排出式」はホコリが詰まる不具合が多い方式なので、「ダストボックス式」に切り替えることでこのハイスペックなXシリーズを安心して購入することができます。
パナソニックエアコン「エオリア」のAXシリーズの特徴
エオリアのAXシリーズは高機能なグレード。
最も高機能なXシリーズよりも空気清浄機能の面が若干弱くなっていますが、他の機能は殆ど変わりません。
空気清浄機を別で使用している場合などは、こちらのグレードが最適です。
このAXシリーズのフィルター自動お掃除ロボットはほこりを「ダストボックス式」にためる構造です。
フィルターからホコリをかき取るのは「フィルター移動式」で、以前からある「ノズル移動式」のような不具合が起きにくい構造になっています。
パナソニックエアコン「エオリア」のEXシリーズの特徴
エオリアのEXシリーズは奥行きがコンパクトなモデル。
奥行き寸法239mmでX・AXシリーズなどの385mmよりも約15cm近くコンパクトに作られています。
2020年のモデルの中でこのシリーズだけフィルター自動お掃除ロボットに「自動排出方式」と「ノズル移動式」を採用しています。
このフィルターお掃除ロボットの構造はトラブルが多発しているので、このシリーズを購入するのはおすすめできません。
パナソニックエアコン「エオリア」のGXシリーズの特徴
エオリアGXシリーズは高さがコンパクトなモデル。
高さ249mmで他のモデルの295mmと比べて約5cmも高さが低く押さえられています。
それ以外の機能はほとんどEXシリーズと変わりません。
一つだけ大きく違うのは、フィルター自動お掃除ロボットの構造。
このGXシリーズのフィルター自動お掃除ロボットはホコリを「ダストボックス式」にためる構造です。
フィルターからホコリをかき取るのは「フィルター移動式」で、以前からある「ノズル移動式」のような不具合が起きにくい構造になっています。
パナソニックエアコン「エオリア」のJシリーズの特徴
エオリアのJシリーズはフィルター自動お掃除ロボットが搭載されていないモデルです。
ナノイーXは搭載されているので、加熱・乾燥と高濃度ナノイーXを使った内部クリーンでエアコン内部のカビを強力に防いでくれます。
パナソニックエアコン「エオリア」のFシリーズの特徴
エオリアのFシリーズは、最もシンプルなスタンダードモデル。
フィルター自動お掃除ロボットやナノイーXなどの機能は搭載されていません。
シンプルにお部屋を冷やしたい・温めたいという方にピッタリのモデルです。
パナソニックエアコン「フル暖エオリア」のUXシリーズの特徴
フル暖エオリアのUXシリーズは寒冷地仕様のモデルです。
TXシリーズとの違いがあまりありませんが、寒冷地仕様モデルとして大きな違いは、「ハイブリッド・エネチャージシステム」があるかどうかです。
「ハイブリッド・エネチャージシステム」とは、暖房時に室外機につく霜を蓄熱した排熱で溶かす機能です。
通常は室外機に霜がつくと、室外機の霜取り運転をするために暖房を停止します。
「ハイブリッド・エネチャージシステム」があれば、暖房を停止しないで霜取り運転をおこなってくれます。
フル暖エオリアには2シリーズありますが、どちらもフィルター自動お掃除ロボットがトラブルの多い「自動排出方式」と「ノズル移動式」の構造になっているのでおすすめできません。
パナソニックエアコン「フル暖エオリア」のTXシリーズの特徴
フル暖エオリアのTXシリーズは、寒冷地仕様の暖房強化モデルです。
暖房強化モデルのわりには、UXシリーズにある「ハイブリッドエネチャージシステム」のような霜取り運転時に暖房を止めないような機能もないので、選択する理由が見当たりません。
フル暖エオリアには2シリーズありますが、どちらもフィルター自動お掃除ロボットがトラブルの多い「自動排出方式」と「ノズル移動式」の構造になっているのでおすすめできません。
パナソニックエアコンエオリアのおすすめ機種は?
パナソニックのエアコン「エオリア」を購入するなら、
- Xシリーズ
- AXシリーズ
- GXシリーズ
の3つのモデルのうちのどれかがおすすめです。
最もコスパがいいのはGXシリーズです。
AXシリーズとの機能の差は、「ひと・ものセンサー」がないことや「足元暖房」がないこと、他には微々たる違いていどしかありません。
その割に購入価格が7万円ちかく変わってくるので、GXシリーズが最もコスパがいいのでおすすめです。
パナソニックエアコン「エオリア」のまとめ
「自動排出方式」しかなかったパナソニックのお掃除機能付きエアコンは、
- 掃除中にうるさい
- お掃除機能部が壊れやすい
- 掃除費用が高い(自分でやるとしても手間がかかる)
など、はっきり言っていいところがありませんでした。
個人的には、絶対買わないお掃除エアコンのメーカーでしたが、お掃除ロボットの構造を大幅に改善してきたことで、モデルと値段次第では購入の選択肢に入るようになってきたと思います。
最後まで読んでいただき有難うございました。
この記事が参考になれば嬉しいです。
コメント
こんばんは
パナソニックエアコンの自動排出関連の検索でたどり着きました。
実は、Xシリーズの2019年モデルを契約して、いざ取付けとなった時点で、取付け業者さんが自動排出のパイプが通せないので取り付けできないとなり、一旦キャンセル。
販売店と相談した結果、2020年モデルならダストボックス式に切り替えられるので、こちらなら取付けできるということでほぼ同じ条件で2020年モデルにしました。取付けは9/16の予定です。
しかし、せっかくついている機能が活かせないのは残念だと思い、何か手はないかと検索していたところ、こちらの記事を拝見しました。
自動排出は、そんなに故障がおおいのでしょうか?
たとえ配管が通せるとしても、ダストボックス式に変更しておいた方が良いでしょうか?
古い記事に対するコメントで恐縮ですが、ご意見をお聞かせ頂ければ幸いです。
こんにちは。
ちょっとご返信が遅くなってしまいすみません。
「せっかくついている機能が活かせないのは残念」と思われているとのことですが、ダストボックス式にしてあるほうが何かと好都合だと思いますよ。
くわしくは記事中にある通りなのですが、とにかくトラブルが多い方式なのは間違いありません。
以前はシャープも同様に屋外排出方式でしたが、現在は完全に廃止してダストボックス式に切り替えています。
シャープも非常にホコリ詰まりの多いメーカーでしたので、クレームも多かったようです。
最近はどこのメーカーのフィルターお掃除機能もほぼ同じ構造になってきました。
その中で淘汰された方式ということは、それだけデメリットが多いということが言えるのではないでしょうか。
個人的には、「お掃除機能付きエアコンを購入するなら絶対パナソニックは買わない」と思っていたほどです。
シャープも同様に個人的には買わないメーカーの一つでしたが、まだ分解が比較的楽だったのでマシかなという感じでした。
逆に分解掃除にかかる手間を考えたらパナソニックはありえない選択肢でしたね。
ご質問についてですが、私なら絶対にダストボックス式に変更して使います。
ちなみに、どちらの方式だとしても年に1回くらいは、ちゃんとフィルターが掃除されているか確認したほうがいいですよ。
特にダイニングキッチンなどに設置されていると、どうしても油煙を吸い込むのでフィルターの目が詰まってしまっていることが多いですから。