いつも蛇口をひねるだけで出てくるお湯。
当り前のようですが、これは給湯器(きゅうとうき)がお湯を作ってくれるからこそなんですよね。
今の住宅ではほとんどと言っていいほどこの給湯器が設置されています。
そんな給湯器が突然動かなくなってしまったら困りますよね。
でも、ほとんどの場合、ある日突然お湯が出なくなってしまうもの。
このページにたどり着いた人は、
「突然お湯が出なくなった、どうしたらいいの?」
「修理か新品に交換かどちらがいいの?」
「交換を勧められたけど、ただ売りたいだけじゃないの?」
といった疑問をもっている方が多いのではないでしょうか。
このページでは給湯器の修理と取替・交換について説明してみたいと思います。
私も現役で給湯器の販売・取付を行ってますが、このブログでは一切正体を明かしてないので、公平な立場の意見として参考になるはずです。
給湯器の故障で修理か新品交換かを判断する方法
給湯器が故障したときに真っ先に考えるのが修理。
でも、修理を頼む前に考えておくことがあります。
それは、機械の寿命です。
一般的に、他の家電製品でも設計耐用年数というのがあります。
機械を設計する段階で、どれくらいの年数持たせるかという観点から部品の材質や構造などをあらかじめ決めています。
いくら長く使えるものを作っても、あまり高価な部品ばかり使用していては、給湯器の本体価格が高くなりすぎて売れないですからね。
給湯器の寿命は10年
どんなものでも、たいてい8年~10年くらい使用することが出来るように設計されているものがほとんどです。
給湯器もほとんどが設計耐用年数を10年としています。
なので、まず使用している年数が10年に近いのかどうかというのが、修理か取替かを決める最も簡単な判断基準になります。
実は、この設計耐用年数というのが、非常に重要な意味を持っているんです。
給湯器が故障した際、仮に今回故障した部品を交換して修理したとしても、他の部品も同じ年数を基準に設計されていれば、他の部品の寿命も近づいていると考えるべきです。
せっかく修理しても、最悪、次々と他の部品が壊れて、最初から新品に交換しておいたほうがよかった、なんてことになりかねません。
給湯器の修理を繰り返せば長く使えるのか?
給湯器にはたくさんの電子部品なども使用されているので、壊れる可能性のある部品は山ほどあることになります。
実際は給湯器の中の故障する部品というのはだいたい決まっているのですが、1回の修理代は大抵15,000円以上と考えていたほうがいいです。
もちろん修理を繰り返して、できるだけ同じ給湯器を長く使うという手もあるのですが、これにはまた別の問題があります。
それは、一定の年数を超えると、メーカーに修理部品のストックが無くなることです。
メーカーは設計耐用年数を超えると、部品の供給をストップしてしまうので、修理したくても部品が無くなって修理不可となってしまうんです。
給湯器には仕様違いを含めると、非常にたくさんの種類があります。
そして、毎年少しずつ改良して微妙に型番を変更して販売しています。
そのたくさんの給湯器に使われている数多くの部品をストックしておこうと思ったら、倉庫代などの固定費だけで膨大な費用が掛かってくるのです。
なので、ある程度の部品の保有期限を設けることは、致し方ないということなんですね。
参考記事⇒給湯器の修理はどこに頼むのが一番いい?修理費用の概算金額は?
給湯器の修理って実は超割高
仮に1台の給湯器を修理部品のみを使って組み立てると、普通に生産ラインで1台新品を作るよりはるかに高額な費用が掛かります。
これは、修理用部品の金額には、倉庫代や部品を出し入れする作業者の人件費などが含まれているからです。
修理部品を仕分けて倉庫内の所定の位置に保管したり、修理部品を所定の位置から取り出して梱包後出荷するといった入出庫管理の費用が余計にかかっているんですね。
当然、倉庫から出荷したあとの輸送費などもかかってきます。
修理部品を取り寄せて組み立てたら、新品の給湯器の2倍~3倍の費用がかかるはずです。
それくらい修理というのはコストがかかることですし、逆を言えば新品は非常に安く手に入るということでもあるんです。
念の為にいっておくと、これは部品代だけの話で、修理の際の技術料は考慮に入れてません。
部品交換の技術料を含めたら、基本的には修理はとても割高になるので、なるべくすべきじゃないというのは想像に難くないのではないでしょうか。
給湯器の修理と新品交換の目安の年数は?
給湯器の設計耐用年数が10年だという話をしましたが、じゃあ10年以下の使用年数での故障の際は修理が得なんでしょうか?
これは考え方によって変わってくるので、何を重視するかによって判断するしかありません。
それは金額だけをみるのか、突然壊れた時の不便さとどちらを重要と考えるのかということです。
私の最近の感覚からすると、現在の給湯器はとても壊れにくくなっていて、”最低10年はもつ”という感じがします。
例えば、8年目で故障したとすると、金額的に見れば今回修理して、次回どこかが壊れた時に新品交換という流れにすれば、費用的には一番出費を少なくすることが出来ると思います。
ただ、次に故障するのが使用年数10年目である2年後だと仮定すると、たった2年後にまた突然お湯が出なくなって、修理業者を呼んだり新品交換の業者を探して見積もりを取ったりするといった煩わしい事態を経験しなければいけないわけです。
それなら、8年目の故障の際に新品に交換しておけば、大抵8~10年の間は故障のトラブルに遭わないで済むのではないかと考えることが出来ます。
新しく取り替えた給湯器が、同じように8年目で故障したとしても、8年間はノントラブルの可能性が高いということです。
給湯器の修理を頼むならどこに頼むべきか?
給湯器の修理を頼むなら、迷わずメーカーに依頼してください。
昔のガス機器はほとんど電子部品を使用していなかったので、街のガス屋さんに依頼すればすぐに来てくれて修理してもらうことが出来ました。
ところが、現在のガス機器はほとんどマイコン制御で電子部品をコントロールしています。
そのため、街のガス屋さんに依頼してきてもらったところで、故障している電子部品なりをメーカーから取り寄せて後日部品交換に来ないと直せません。
沢山ある給湯器の部品をすべて在庫しておくことは不可能ですし、故障している場所の見立てが間違っていると、また改めて違う部品を取り寄せて再訪問になるということも良くあることです。
そして、一旦注文した部品は返品が効かないので、部品代の請求はお客さんにされることになります。
納得いかないかもしれませんが、修理というものは故障している可能性の高いものを、一つ一つたどっていくしかないので、致し方ないのです。
それなら、最初からメーカーに修理を依頼したほうが、よくある故障ならある程度故障している部品を特定できるので、それなりの部品を持参して1回の訪問で修理完了してくれる可能性が高まります。
もちろん持参した部品が違っても、お客さんが部品代を負担する必要はありません。
更にもう一つ、メーカーの修理に依頼したほうがいい理由があります。
それは、メーカー以外だと、修理できるものでも新品へ交換したがる傾向が強いからです。
修理は手間と時間がかかる割に、あまり儲からないんです。
新品の給湯器に取り換えたほうが儲かるので、街のガス屋さんなどは、どうしても新品への交換を勧めてくる傾向が強くなってしまいます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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