エアコンクリーニング業者のエコ洗剤使用ってどうなの?汚れは落ちるの?

エアコンクリーニングのエコ洗剤でエコ洗浄


エアコンのカビのニオイや汚れがひどくなったので、いざエアコンクリーニングを業者に頼もうと思った時、業者が使う洗剤がどんなものか心配になったことはありませんか?

特に赤ちゃんや小さいお子さんがいるご家庭などは、結構気を使っているのではないでしょうか?
犬や猫などのペットを飼っている人や、アレルギー体質の人も同様に心配している人も多いものです。
出来れば、あまりきつい洗剤は使ってほしくないですよね。

最近は、石鹸洗剤とか石鹸ソープ、エコ洗剤などの名前で天然のエコ洗剤を使っていることをアピールしている業者も多くみかけます。
反面、「じゃあ、今までのエアコン洗剤は体に有害なの?」と疑問を持つ方もいるようです。

でも、小さな子供やペット、アレルギー持ちの人、そして環境にも優しいと謳っているエコ洗剤でのエアコンクリーニングは、果たしてホントにエコロジーで優しいものなのでしょうか?

今回は、一般的にエアコンクリーニングに使われている洗剤について詳しく書いてみたいと思います。
気になるエコ洗浄の汚れを落とす力(洗浄力)についても、通常のエアコンクリーニング専用洗剤と比較してみました。

スポンサーリンク


エアコン掃除のエコ洗剤って中性洗剤のこと?


エアコンクリーニングに使われるエコ洗剤ってどういうものなのでしょうか?

ご存知のように、洗剤には3種類の液性があります。

  • アルカリ性
  • 酸性
  • 中性

の3つですね。

この中でほとんどのエコ洗剤は、中性もしくは若干アルカリ性や酸性に寄ったものです。
いわゆる”弱酸性”や”弱アルカリ性”と呼ばれるものです。

ただ、「エコ洗剤」=「中性洗剤」というわけではありません。
中性の洗剤が必ずしもエコロジーな洗剤とは限りません。
中身の成分も重要になってきます。

本当の意味でのエコ洗剤はない

実は、洗剤に「エコ洗剤」という分類はありません。

家庭用品品質表示法では、洗剤は「石けん」と「その他の洗剤(合成洗剤)」の2つの分類しかないのです。

つまり、「エコ洗剤」には定義はなく、使用する人の考え方によって変わってしまうのです。

一般的にエコ洗剤とは、自然素材を原料にしており、使用後にそのまま自然に流しても、自然界にある成分に分解される生分解性の高いものを指します。

合成洗剤には、汚れ落ちを補助するための「界面活性剤」といわれるものが含まれていますが、これが分解されにくいのです。

そのため、合成洗剤はエコ洗剤ではないと言われることが多いのですが、実際はそう簡単ではないのです。

意外なことに、オーガニック洗剤とか自然素材洗剤などと呼ばれる一見エコ洗剤のように思える名前の洗剤は、分類的には合成洗剤になります。
これは、界面活性剤といわれる成分が混ぜられているからです。

じゃあ、「せっけん」なら界面活性剤を含んでいないからいいかというと、実は「せっけん」は製造過程で界面活性剤が作られるので、厳密には「せっけん」自体が界面活性剤の一種だったりするんですよね。

エアコンクリーニング業者が普段使う洗剤の種類や成分は?


エアコンクリーニング業者が通常使うのは、洗浄力の強い強アルカリ性の専用洗剤です。

成分的には、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムという名前のものです。
この2つの成分は、性質的にはほとんど同じですが、カリウムのほうが洗浄力が強いものです。
ただ、カリウムは価格が高いため、大部分にナトリウムが使われています。

気になるのが、人体などに悪影響がある物質なのかというところでしょう。

水酸化ナトリウムは濃度の濃いものを「苛性ソーダ」と呼びます。
そして、この「苛性ソーダ」は劇毒物に指定されています。

劇毒物なんて聞くと、恐ろしいもののように聞こえますが、濃度の濃いものが「劇物」なだけであって「毒物」ではないので安心してください。
濃いものは取扱に注意してください、というだけのことなのです。

その証拠に、水酸化ナトリウムは食品加工によく使われていて、パンの光沢を出すために焼く前に表面に塗ったりされているものです。

「苛性ソーダ」はエコ洗剤の代名詞である「せっけん」を作る材料でもあります。

エアコン洗剤は自然由来?

水酸化ナトリウムの製造方法ですが、塩化ナトリウムを電気分解して作ります。
塩化ナトリウム、つまり塩から出来ているのです。

もう一つの成分である水酸化カリウムは鉱物資源です。
かつては植物を燃焼させた灰から取っていました。

どちらも自然界に普通に存在するもので、完全な自然由来の安心の成分なのです。

では、なぜ劇物なのかというと、どちらもタンパク質に対して強い腐食性があるという理由からです。

動物の体はタンパク質から出来ているので、皮膚に付着すると皮膚を溶かしたり(ヤケド)、目に入れば失明したりする危険があります。

もちろん、濃度の濃いものの話ではありますが、取扱には注意が必要ということなのです。

スポンサーリンク

エアコンクリーニングにせっけん洗剤を使わないほうがいい理由

水酸化ナトリウムに対してアレルギーがないのであれば、あえてせっけん洗剤を使う理由がありません。

なぜなら、せっけんを始めとするエコ洗剤は、総じて洗浄力が弱いからです。

以前、おそうじ本舗でエコ洗浄がメニューに登場した当初、クレームになったことがあります。
お客さんからの依頼を受けておそうじ本舗のエコ洗剤を使用して洗浄したところ、2週間程度経過あと、カビ臭くなったというクレームを受けたことがあります。
後にも先にも、洗浄後にカビ臭いというクレームを受けたのはこの件しかありません。
そしてこの件以来、私はエアコンクリーニングにエコ洗剤を使用したことは一切ありません。

おそうじ本舗のエコ洗剤は、穀物を原料としたもので、とうもろこしのニオイがします。

おそうじ本舗の本部から洗浄力が弱いという話は聞いていたものの、これほど洗浄力が落ちるものだとは思っていませんでした。

普段使うエアコン専用洗剤と比べて、泡立ちが多くて非常に洗浄しにくいのも特徴です。
一見泡立ちが多いと汚れが落ちそうですが、エアコンクリーニングでは致命的です。
モコモコと立った泡がモーターや電装基盤まで達してしまう危険があるため、少し洗浄しては泡が治まるのを待っての繰り返しなので、非常に時間がかかって結果的に洗浄不足になりやすいのです。

そして、エコ洗剤はすすぎ性も悪いのです。
すすぎが不十分になって洗剤が残っていた可能性も、カビが早期に発生した原因の一つではないかと思っています。

こういったデメリットは、おそうじ本舗のエコ洗剤に限ったことではなくて、せっけん洗剤をはじめとするエコ洗剤全てにいえることだと言えます。

まとめ:エアコン専用洗剤とエコ洗剤どちらがいい?

ここまでに書いたとおり、せっけん洗剤をはじめとするエコ洗剤は、水酸化ナトリウムに対するアレルギーがある場合などを除けば、使用するメリットが見つかりません。

自然由来系洗剤とよばれるものには、成分の多くに合成洗剤の一種である界面活性剤を多くの割合で含んでいるものもあり、かえってアレルギーなどを引き起こす原因になる可能性が高いとも言えます。

日常生活にエコロジーが浸透していることをいいことに、付加価値としてエコ洗剤を使ったエアコンクリーニングが登場したと言えますが、実際のところはかえってエコじゃなくなっているのではないでしょうかね。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事が参考になりましたら嬉しいです。



コメント

タイトルとURLをコピーしました