「エアコンの暖房はつけっぱなしのほうがお得」
という話をよく聞くようになりました。
冷房も同様ですが、冷房よりも暖房のほうが電気代が多くかかるので、これを知っておくと冬の暖房費が大幅に節約できるかもしれません。
それに、つけっぱなしのほうが温度変化が少なくて快適に過ごせますからね。
ただ、やっぱりエアコンを全く使わないより、24時間つけっぱなしにしたほうが電気料金がかかるのは言うまでもない事実。
そこで、エアコンの暖房を消すなら何時間までが電気料金が最も安くなるのか調べてみました。
お出かけで留守にする時にエアコンの暖房を消すべきか、つけっぱなしにするべきかの目安にしてくださいね。
私は仕事で約16年間エアコンクリーニングをやってきましたが、つけっぱなしにしているお客さんのエアコン内部のカビが非常に少ないというのを実感しています。
電気代も節約できたら一石二鳥、三鳥ですよね。
24時間エアコンの暖房をつけっぱなで電気料金はいくらかかる?
まずはエアコンの暖房を24時間つけっぱなしにした時の電気料金がいくら掛かるのかを計算してみます。
もちろん、建物の構造や気候によっても大きく変わってくるので、あくまでも一例になります。
鉄筋コンクリート造と木造の住宅などでは断熱性能などが全然違いますからね。
実験環境は以下の通りです。
【実験環境】
建物:RC(鉄筋コンクリート)造 8階建の5階
部屋:14帖LDK
エアコン:冷房時4.0kw(17帖まで) 暖房時5.0kw(暖房14帖まで)
設定温度:24℃
外気温:約4℃~約9℃
電気料金単価:27円/kWh
エアコン暖房の時間帯別つけっぱなし電気料金
エアコンの暖房をつけっぱなしにしたほうが電気代が割安になると言っても、大抵の家庭では昼間は会社や学校に行っていて留守のはずなので、消したほうがお得なのは当たり前ですよね。
時間帯ごとに外の気温も大きく違いますから、エアコンの暖房にかかる電気料金も当然違ってきます。
なので、3つに分けた時間帯ごとに実際に掛かった電気料金を見てみましょう。
時間帯別つけっぱなしの電気代 | ||
時間帯 | 実際の消費電力量 | 電気料金 |
6時~18時(日中 約12時間) | 5.7kWh | 154円 |
18時~23時(夜 約5時間) | 3.4kWh | 92円 |
23時~6時(深夜 約7時間) | 3.5kWh | 95円 |
すべての時間帯を合計した24時間と31日間の電気料金は下のとおりです。
※31日間の電気料金は24時間の電気料金を31日分で単純計算した予測値。
24時間・31日間つけっぱなしの電気代 | ||
時間 | 消費電力量 | 電気料金 |
24時間 | 12.6kWh | 341円 |
31日間(744時間) | 390.6kWh | 10,571円 |
エアコン暖房をこまめに切った時の電気料金
エアコンの暖房をこまめに切る可能性があるのは、日中と夜の時間帯のみということで、この2つの時間帯のみ計測しています。
深夜帯は寝ている時間帯として計測していません。
日中帯(6時~18時)に暖房を切った時の電気代 | |||||
①切った時間 | 温度変化 | 設定温度に戻るまでの消費電力量 (②所要時間) |
設定温度に戻るまでにかかった電気代 | つけっぱなし時の電気代①+② | つけっぱなしで余分にかかる電気代 |
30分間 | 約-4.5℃ | 0.26kWh(約15分) | 約7.0円 | 約9.6円 | 2.6円 |
1時間 | 約-5.0℃ | 0.35kWh(約20分) | 約9.5円 | 約17.1円 | 7.6円 |
暖房を切ると約30分ほどで急激に温度が下がり、その後は緩やかに下がっていきました。
夜間帯(18時~23時)に暖房を切った時の電気代 | |||||
①切った時間 | 温度変化 | 設定温度に戻るまでの消費電力量 (②所要時間) |
設定温度に戻るまでにかかった電気代 | つけっぱなし時の電気代①+② | つけっぱなしで余分にかかる電気代 |
30分間 | 約-5.0℃ | 0.35kWh(約20分) | 約9.5円 | 約13.8円 | 4.3円 |
1時間 | 約-6.0℃ | 0.44kWh(約25分) | 約11.9円 | 約26.1円 | 14.2円 |
1日の外気温の変化が5℃程度しかない日でしたが、やはり日中よりも夜間のほうがつけっぱなしの電気代が多くかかっています。
エアコンの暖房を留守中に消すなら何時間までが目安?
上の結果から、エアコンの暖房を留守中に消すなら何時間までかというと、
「30分以上なら切ったほうが電気代はお得」
ということです。
太陽の出ている日中帯でも、30分以上暖房をつけているのとつけっぱなしとを比較すると、つけっぱなしのほうが電気代は多くかかることがわかりました。
夜間帯なら20分でも暖房を消していたほうが電気代はお得でしょう。
エアコンの暖房をずっと消さないのは得なの?
エアコンの暖房をつけっぱなしにしてずっと消さないのは、上記の結果を見る限り電気料金的にはお得ではないようです。
ただ、エアコンのつけっぱなしのメリットは電気料金以外のところにあります。
それは、室温が安定していることによる快適性です。
つけっぱなしにしている場合、室温は1日を通して2℃前後しか変化しません。
もちろん、人の出入りがあったり台所で火を使ったりすることで一時的に変動が大きくなることがありますが、あくまでも一時的なものです。
反面、暖房をこまめにつけたり消したりする場合は、室温が10℃以上変動する場合もあるので、とても快適な状態とは言い難くなります。
季節の変わり目などの気温の変化が著しい時期に体調を崩しやすいように、暖房をこまめに入り切りすることで体調を崩しやすくしてしまう可能性があるわけです。
在宅中で起きている時間帯に限るなら、つけっぱなしの電気代は気にするほどのものではないのかもしれません。
健康面まで考慮するならエアコン暖房のつけっぱなしはお得と言っていいのではないでしょうか。
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