いつの間にか汚れてるお風呂の床。
よく見ると床の柄の溝や表面に黒い汚れや、ピンクの汚れ、白い汚れなどいろんな汚れがついちゃってます。
普段は浴槽の掃除だけで、やらないという人が多いお風呂の床の掃除。
たまに気づいて市販のお風呂用洗剤を使ってみても汚れが全然落ちないんですよね。
私は、ハウスクリーニングのプロとして18年以上お掃除をしていますが、床のひどい汚れは短時間で落とそうとするとプロでも大変なものです。
今回紹介するのは、ゴシゴシ力を入れてこすらなくても放置して流すだけで簡単に床をきれいにできちゃう方法です。
洗剤をまいて放置するだけで、
- 頑固な床の黒ずみ汚れ
- すぐ再発する床のピンク汚れ(ピンクカビ)
- 乾くと浮き出る白い汚れ
といった代表的な3つの床の汚れを簡単に落とす方法をご紹介します。
軽めの汚れなら「こすらず放置で簡単」のお掃除方法でやってみて、それでもまだ落ちない場合はそれぞれの「汚れの落とし方」で紹介する方法でお掃除してみて下さい。
風呂の床の汚れの種類
普段のお風呂掃除であまり気にしない人が多いのが床の汚れ。
浴槽はお湯をためて首まで入るところなので毎日掃除するんですけどね。
で、気付くと頑固な汚れになってしまっているわけです。
お風呂の床はいろんな汚れが付きます。
- 洗う前の足の裏の汚れ
- ボディーソープなどの洗剤
- 体を洗った時の皮脂汚れ
- 汚れに発生したカビ
- 水道水のスケール(水アカ)
次からは床全体をまとめて綺麗にする「こすらず放置で簡単」な掃除方法をご紹介します。
この方法は比較的軽い汚れ向きですが、ひどい汚れでもこれをやっておくとあとが楽になりますよ。
まずはこの方法でお掃除してみましょう。
風呂の床の掃除はこすらず放置で簡単!
床の放置する掃除方法を簡単に説明すると、「床に水を溜めて洗剤をぶちこんで時間を置く」です。
この方法は軽めの汚れなら数種類の汚れをまとめて掃除できちゃいます。
いろいろな種類の汚れが混在するお風呂の床の掃除ですが、放置する掃除法なら時間はかかるものの簡単に落とすことができます。
お湯をためた浴槽に洗剤を入れて、汚れた椅子や洗面器などをつっこんで放置するやり方が有名ですが、それを床でやるというわけです。
やり方は簡単4ステップ。
- 排水口に栓をする
- 洗剤をまく
- お湯をシャワーでまいて放置
- 流して軽くブラシがけ
1.床の排水口に栓をする
まず最初にやるのは、洗い場床にある排水口に栓をすること。
浴槽には専用の栓がありますが、洗い場の排水口には栓が存在しません。
洗い場の床に栓をしてしまうと、お風呂場から水が溢れ出て漏水事故の原因になるので存在しないんですよね。
その排水口に栓をするには、ビニール袋かサランラップを使います。
排水口には網目の蓋がついていますが、これにビニール袋かサランラップを巻いて戻すだけです。
ビニール袋はなるべく薄手のものがおすすめ。
厚手のビニールだと隙間ができやすく、溜めたお湯が抜けてしまいやすいので。
栓ができたら、次の「洗剤をまいてお湯をためる」にすすみます。
※お風呂の構造上お湯が簡単に溜められないものもあります。洗い場床と浴槽の下が仕切られていないタイプで浴槽下に別の排水口がある場合はちょっと難易度が高いかもしれません。
2.床に洗剤をまく
床にまく洗剤はアルカリ性がいいのか酸性がいいのかで迷うところですが、まずはアルカリ性の酸素系漂白剤を使ってみましょう。
酸素系漂白剤の主成分は過炭酸ナトリウムです。
100円均一にも売っていますので簡単に手に入れることができます。
人気なのが「オキシクリーン」です。
オキシクリーンの主成分も過炭酸ナトリウムですからね。
大容量で安いのが人気のオキシクリーンですが、「オキシ漬け」なんて言葉もあるくらいつけ置きに定評のある洗剤です。
洗剤を汚れが気になるところを中心にたっぷりまきます。
3.お湯をシャワーでまいて放置
洗剤をまいたらいよいよお湯で床を浸します。
お湯の温度は60℃くらいの設定がいいでしょう。
溜まった時にはだいぶ温度が下がってしまうのでちょっと高めの温度設定で。
過炭酸ナトリウムが最も洗浄力を発揮するのは50℃から60℃くらいと言われています。
シャワーを使ってお湯をまくのは洗剤をよく溶かすためです。
排水口近くから順にお湯を掛けていくことで、洗剤が低い位置にある排水口付近に集まってしまうことを防げます。
お風呂場の床が全てお湯に使ったら、あとは3時間以上放置しておきましょう。
4.床の洗剤を流して軽くブラシがけ
放置したらあとは栓を取って水を抜きます。
水が抜けてしまっていたら、水が抜ける原因を突き止めてやり直しましょう。
どうしてもお湯がたまらない場合は
どうしてもお水がたまらない場合は、床にキッチンペーパーか使わなくなったタオルを敷きつめてから、洗剤を溶かしたお湯をまいてビニール袋やラップで湿布して放置すると同じような効果がえられます。
漬け置きした後は、シャワーで勢いよく流してやればピカピカの床が現れます。
見えない汚れが残っていると乾燥した後に浮き出てきてしまうので、全体を床用ブラシで軽くこすっておくと完璧です。
お風呂は酸性の汚れやアルカリ性の汚れなど性質の違う汚れが集まるところなので、汚れによって洗剤を変えてやると意外と簡単に汚れが落とせます。
次からは汚れの種類によって最適な洗剤の種類とお掃除の仕方を紹介していきます。
- 黒ずみ汚れに適した洗剤と掃除の仕方
- ピンク汚れに適した洗剤と掃除の仕方
- 白い汚れに適した洗剤と掃除の仕方
風呂の床の掃除:黒ずみ汚れの落とし方
お風呂の床の黒ずみ汚れは足で踏むところを中心についているはずです。
つまり黒ずみは足の裏の汚れなんですね。
風呂の床の黒ずみの正体
足の裏の皮脂汚れと靴や靴下の中に入った泥汚れなどが、「洗剤の残り」や「水垢」と一緒になって固まったものです。
洗剤の残り(石鹸カス)も水垢も酸に溶ける性質があるので、掃除の際にはクエン酸などの酸性の洗剤を使うことで落とせます。
黒ずみ汚れが普通のお風呂洗剤で落ちにくいのは、この洗剤の残りと水垢が原因というのがポイントなんです。
洗剤は残って乾燥すると石鹸カスと呼ばれる汚れになります。
ただ洗剤が固まっただけなら簡単に落とせそうな気がしますが、石鹸カスは他の物質と結びついてできた「金属石鹸」というものに変質しているのでなかなか落ちないんです。
石鹸カス(金属石鹸)は3つのものが結合した汚れ
- 残った洗剤分
- 皮脂汚れ
- 水道水に含まれる金属イオン
お風呂の水垢の主成分は炭酸カルシウム(石灰)です。
石鹸カス
石鹸カスはアルカリ性の汚れです。
上に書いたように、石鹸カスは皮脂やカルシウム分などと結合すると「金属石けん」と呼ばれるものになって、非常に固くて落ちにくい汚れに変わります。
アルカリ性の汚れなので、反対の酸性の洗剤を使って落としましょう。
水垢
水垢は炭酸カルシウムというアルカリ性の汚れ。
水垢は水道水に含まれているカルシウムやマグネシウム、ケイ素などのミネラル分が結晶化したものです。
お風呂の床の水垢は、酸性洗剤を使って落としましょう。
石鹸カスと同じアルカリ性の汚れなので同時にお掃除することができます。
特に床の溝部分はブラシを当てないとなかなか落ちてくれません。
クエン酸水をつくって床にまき、キッチンペーパーを貼り付けたあと、さらにたっぷりのクエン酸水をまいたら、乾燥しないようにラップをかけておきます。
一晩くらい置いたらキッチンペーパーを取り除きお湯で流しながらブラシでよく擦っておきます。
ブラシで擦っておくとふやけた汚れが簡単に取れるので、「乾燥したら白くなった」ということがおこりにくくなります。
風呂の床の黒ずみ落としの手順
床の黒ずみ汚れの落とし方の手順を順番に説明していきます。
- 床の水気を取る
- クエン酸などの酸性の洗剤とキッチンペーパーを用意する
- 黒ずみ汚れの気になる部分に酸性洗剤をかけてすぐにキッチンペーパーを押し付ける。
- キッチンペーパーの上から更に酸性洗剤をかけてひたひたにする。
- 更に上からラップをかける。(長時間放置ではないのでなくても可)
- 5分以上放置してキッチンペーパーなどを取り除く。
- シャワーで洗い流す。
- 部分的に汚れが残っていたらシャワーで流しながら軽くこする。
ポイント
まず床面は水がない状態にして下さい。
水がない状態と言っても完全に乾燥させる必要はありません。
水を流してすぐのような状態であれば、硬く絞った雑巾を押し付けて水気を取ってやるだけで大丈夫。
水で洗剤が薄まってしまうのを防ぐ意味と、水が邪魔になって汚れに洗剤が届きにくくなることを防ぐ意味があります。
長期間黒ずみ汚れを放置していた場合は、汚れがかなり分厚くなっています。
一度で取れないときは放置時間を長くして、繰り返し根気よくやってみて下さい。
風呂の床の掃除:ピンクカビ汚れの落とし方
お風呂の床によく付くピンク色の汚れ。
特にシャンプーボトルなどを置いている底の部分によく発生します。
ボトルの肩などの水が溜まりやすいところにも出てきますよね。
このピンク汚れの原因菌はお風呂用洗剤では殺菌できないので、塩素系漂白剤を使うか、消毒用エタノールを使うことで殺菌することができます。
このピンク汚れの正体は「ロドトルラ」と呼ばれる菌。
この赤やピンクの色をした「ロドトルラ」は、カビとは違う「赤色酵母」といわれる酵母菌の一種です。
ピンクカビ菌の特徴は繁殖スピードが速いことで、黒カビが5日~7日程度で繁殖するのに対して1日~3日もあれば繁殖してしまうほどです。
繁殖力は黒カビの7倍~10倍あると言われています。
「昨日掃除したばっかりなのに」となるのはこのためなんですね。
気になる健康への影響ですが、特に健康な人の体調が悪くなるようなことはまずありません。
赤色酵母が健康被害を及ぼすことはまれですが、免疫力の低下した入院患者の体内にカテーテルを通じて入り込み、感染症を引き起こした事例が知られています。
引用:エフシージー研究所 https://www.fcg-r.co.jp/micro/micro01.html
ただ、この菌が繁殖するということは、健康へ悪影響がある他のカビなどの菌が繁殖する環境が整っているということだとも言えます。
他の菌を繁殖させないためにも、早めのお掃除が必要なんです。
ピンクカビ汚れも放置するとシリコンやゴムパッキンに定着して取れなくなってしまうので、見つけたらすぐに消毒用エタノールをティッシュなどにつけて拭き取ることをおすすめします。
風呂の床の掃除:白い汚れの落とし方
お風呂の床の溝に乾くと浮き出てくる白い汚れ。
これは石鹸カスか水アカ(スケール)のどちらかです。
銅などの金属成分と結合して緑色っぽくなっていることもあります。
どちらも酸に溶けるので、酸性の洗剤を使って取り除くことができます。
100円均一でも手に入るクエン酸を使うか、汚れが分厚く手強そうな時はトイレ用洗剤のサンポールやドメストを使う手もあります。
ただしサンポールやドメストなどのトイレ用洗剤は酸性が強いので金属部分に触れないように注意して下さい。
金属部分に長時間触れると「酸焼け」という現象で黒っぽく変色してしまうことがあります。
白い汚れの落とし方はの手順は、上に書いた黒ずみ汚れの落とし方とほぼ同じです。
- 床の水気を取る
- クエン酸などの酸性の洗剤とキッチンペーパーを用意する
- 黒ずみ汚れの気になる部分に酸性洗剤をかけてすぐにキッチンペーパーを押し付ける。
- キッチンペーパーの上から更に酸性洗剤をかけてひたひたにする。
- 更に上からラップをかける。(長時間放置ではないのでなくても可)
- 5分以上放置してキッチンペーパーなどを取り除く。
- シャワーで洗い流す。
- 部分的に汚れが残っていたらシャワーで流しながら軽くこする。
ポイント
まず床面は水がない状態にして下さい。
水がない状態と言っても完全に乾燥させる必要はありません。
水を流してすぐのような状態であれば、硬く絞った雑巾で水気を取ってやるだけで大丈夫。
水で洗剤が薄まってしまうのを防ぐ意味と、水が邪魔になって汚れに洗剤が届きにくくなることを防ぐ意味があります。
黒ずみ汚れと同様、長期間放置されていた白い汚れは繰り返し作業が必要なことが多いです。
特に白い汚れは床の溝を中心についているので、ブラシで擦らないとなかなか落としきれません。
水に濡れていると白い汚れが取れたかわかりにくくなってしまうので、乾燥すると再び浮き出てくることが多いんですよね。
お風呂の床は滑り止めの目的で意図的にたくさんの溝が作られています。
この溝を一つ一つ手作業していては時間と体力が必要で疲れてしまいます。
放置する掃除法を上手に使って楽にお掃除しましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事がお役に立てると嬉しいです。
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